ナチュラリスト読書会


『ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。』
暗記したねー、意味も理解せず。
鉄砲の伝来がどんな意味があるかもわからず、暗記したねー、
「以後予算が増える1543年」。
パスカルの原理もチンプンカンプンちちんぷいぷいだったけど、
とにかく暗記して乗り越えた。

一夜漬けの暗記なので、試験が終わると何も覚えていない。
そんな高校生の頃、こんな教科書があったら、もっと「方丈記」を読んだだろうか?
もっと「方丈記」に感動しただろうか?

「ゆく川の水のように、幸せも、悲しみも流れていく」
「この世は無常だと知らされるとより一層、前向きな生き方になる」
「この世で、幸せになれるかどうかは、心ひとつで決まる」

鴨長明さんのメッセージ、今なら琴線に触れるのだが、
盗んだバイクで走りだしたかったあの頃に、だ。
そんなことを考えた一冊。
今あらためて「方丈記」を読むには最適!
原文もある、方丈庵を訪ねる現地ルポもある、イラストもほんわかしていい。
本棚に置いておきたい良質な一冊だ。

「絶望的な災害や不幸にあっても、命を大切にして生きる」
まさに、今、読むべき「方丈記」ではないだろうか?

          一文字弥太郎



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