豪雨災害に関連する情報を伝えるため、「読書会」は2週お休みしました。
しかし、給水拠点情報など、被災者の方々にどこまで届いているのか?
伝えている自分に頼りない気持ちがありました。
さらに、レギュラーコーナーはいつも通りやるべきなのに戸惑いも。
OA後、苛立ちをスタッフにぶつけます。
「これでよかったのか?」

翌週 悶々として、バスセンターからRCCに行く途中、ふらりとひろしま美術館へ。
やなせたかし展。
その足跡を追うと、自分が苛立つのは単なる装飾、信念なんてなかったことに気づく。
何を伝えたいのか、どう伝えたいのか、
そんなことは曖昧に決着し、逃げる隙間をこっそり用意。
「これでよかったのか?」
なーんて。僕は赤い舌を出し、傷つかない「正義」をふりかざしていたのです。

やなせたかしさんに気づかされたなあ。愚かな自分を。

目の前には、アンパンマン。
顔がないのに、泣けてくる。

美術館を出て、手のひらを太陽にかざす。

だいじょうぶ、なにかできる、生きてるから。

                  一文字弥太郎



今日の深掘りシャベルは、親子教育相談所。
東林館高等学校副校長の、池田忠輝先生にお話を伺いました。

テーマは「親も子も、イライラしない夏休みにする方法」。
夏休みには、宿題をやったかどうかが気になったり、
時間がたくさんある分、1日をどう過ごしているかが気になったりしますよね。
夏休みを有意義に過ごすことができるように、
親子間にどんなコミュニケーションが必要か、教えていただきました。

今日の放送はPodcastでも聴くことができます。
気になった方はぜひ聴いてみてくださいね♪



なつかしい大学時代。
京都・北大路堀川にあるその下宿は、大家さん家族が1階と2階に住み、
3階に僕らの下宿がありました。下宿は3部屋で、炊事場はなく、トイレが共同でした。
大家さんは確か西陣織を仕事にしていて、自宅が仕事場。
一度見せてもらった記憶があります。
6畳の部屋でも親と離れて暮らすことに憧れていた僕は、まるで独立したかのような気分。
大学に慣れてくると、深夜まで友達と語るのが面白く、また、当時とても好きな人がいて、週末その人と会えることが最高の幸せで、親の必死の仕送りをすべて「遊興費」に使っていました。
自分の部屋へは、大家さんと同じ玄関・同じ階段を使ってたどり着きます。
門限などはありませんでしたが、さすがに真夜中に騒ぐと階下の大家さん家族に迷惑。
友達を泊めるのも原則禁止。まして、女性を部屋に泊めるには、夕方までに銭湯に行き、一度女性に帰ったふりをしてもらい、大家さんの隙を見て足音立てずに3階まで忍び込むというスパイみたいな苦労が必要でした。
結局、僕は一年でここを出てしまいます。好きな人にはすぐにフラれてしまうのですけど。
京都は祭りがたくさんあります。
たまに、箱寿司や和菓子をいただき、階下にある「家庭の温かさ」に触れさせていただきました。もっと交流しておけば、と今更ながら。

この本は、大家さんとの交流を描いた素晴らしい一冊。
2人の立ち位置が絶妙でおもしろいです。ぜひ、読んでみてください。

             一文字弥太郎



昔話って理不尽な物語が多いですよね?!
浦島太郎なんて、おじいさんにされちゃって、たまったもんじゃありません!
でもね。
『昔話には、社会の理不尽さ生きることの切なさとともに、
 それを乗り越えて行く人間の強さが込められている。』と著者。
なるほど、浦島太郎に「年をとってもちゃんと生きろ!」って言ってるわけです。
民俗学では、こどもと年寄りが神に近い存在なんだとか。
これ、もっと広めたい!神に近い人をどちらも虐待しているんですよ、いまのこの国は!

この本は・・・気鋭の民俗学者が大学を辞め、老人ホームで働き始める。
そこにいる年寄りの「語り」に耳を傾ける。
年寄りは聞き手の知らない世界を教えてくれる師となる。
するといつも「される側」にいる年寄りが「してあげる側」になり、
その関係性が豊かさを生む。その過程を考察してまとめた一冊。
介護の世界と民俗学がこんなにつながるとは、まさに驚き!
とても素晴らしい結びつきだと思った。

「遺言を書くほど財産はなし。葬式代はなんとかする。」
亡くなった父の晩年の口癖。
今、母は一人、家の中でも杖をつきながら生きている。
少しだけ「語り」に耳を傾け、どうして父と結婚したのか聞いた。
「博打しない人と聞いたから。」
そっかー、昔は全て伝聞で結婚を決めていたんだ。
「でも、女好きとは聞いてなかった」
そっかー、そこを受け継いだのか、と苦笑。

いつかちゃんと母の「語り」に耳を傾けたい。
そのために読んだ一冊。

             一文字弥太郎



「皮まで食べられる!」…と 話題の “もんげーバナナ”。
農薬や化学肥料を使わず育てられているので 皮まで食べられるのだとか。
皮にはミネラルなど豊富な栄養が含まれているので、
美味しいだけじゃなく、体にも良いそうです。

今回の「深堀シャベル」では、その“もんげーバナナ”を栽培している
岡山市の“D&Tファーム”を訪ね、開発者の田中節三さんに取材しました。



到着早々、噂の“もんげーバナナ”、
そして、試作段階の“もんげーバナナ2”をいただきました!
濃厚な甘味と、絹のようにサッパリした喉越しに
一文字さんも、岡さんも思わず絶叫…「もんげ~~~!」

そもそも、こちらの田中節三さん・・・
農業の専門家ではありませんが、
バナナ好きが高じておよそ40年間、
会社を経営しながら私財を投じてバナナを研究。
失敗を重ねながら たどり着いたのが「凍結解凍覚醒法」。
分かりやすく説明すると・・・
バナナの苗をおよそ180日間かけてマイナス60度までゆっくり冷却。
人工的に苗に氷河期を体験させ、ゆっくり解凍して土に植えるというもの。
こうすると遺伝子情報伝達物質(RNA)が変化し、
熱帯植物の性質がリセット、温帯でも育つ性質に変わるそうです。
だから、寒冷地でもバナナが! しかも、農薬も化学肥料もいらない!
植物のチカラが最大限に発揮され、その地域で果実をつけるのです。

「ここで栽培しているのは、バナナだけじゃないよ!」
田中先生に導かれながら、ファームを探検。
そこで、目にしたのは、岡山とは思えないアドベンチャーワールド…。


ここは、まるで熱帯…!?



たわわに実る“もんげーバナナ”


咲き誇るパッションフルーツの花!


アーモンドも!?


パパイヤも!?


ブルーベリーも!?


鉢で育つパイナップル!?


そのほかにも…
コーヒー豆、カカオ、カシューナッツ、マンゴー、
グァバ、ブラックペッパー、デーツ…などなど
230種類以上という南国生まれの果樹が栽培されています。
「ここって、本当に岡山…?」

この農場の作物は、全て無農薬、化学肥料は使われていません。
それなのに成長が早く、どの果樹もたくさん実をつけるのです。
この農法は、すでに田中先生の想いに共感する生産者の間で
広まっているそうです。
さらに研究が進めば、日本の、そして、世界の農業に
大きな変化をもたらす可能性を秘めています。

今度は農園で収穫したばかりのパイナップルを試食!





「見てあげて! どう? かわいいだろう?」
目を細めながら果樹を愛でる様子は、
まるで、家族や友人に向けた眼差しそのもの…。

今回、およそ4時間に渡ってお話を伺う中、
特に印象的だったのは、田中先生の植物に対する“慈しみ”。
近代以降、大量生産至上主義の中で忘れかけている
「植物と動物の共生」が田中先生の根本に存在しています。

穏やかな木漏れ日が差す 和らぎ空間で、
マイナスイオンを体いっぱいに浴びていると、
植物たちの息遣いが聞こえたような気がしました。

これからも、『週末ナチュラリスト』では、
田中先生への取材を続けて行きたいと思います。

※「深堀シャベル」の模様はラジオクラウドでも聴くことができます。



TOP