最優秀賞 No.140 神奈川県 八田明子さんの作品 タイトル『おばあちゃんの記し』 |
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あらすじ | 吉野翔太は、親戚の中で唯一、祖母・スミにだけ可愛がられ、翔太もスミに懐いていた。しかし、成長するにつれ、翔太はスミの元を訪れなくなっていく。父に言われ、久しぶりに訪ねると、スミは弱っており、翔太を忘れたかのようだった。そこで翔太は、スミの家からあるものを持ち去ってしまうが… |
評価コメント | 細かい部分にエッセンスが入っている。 物語がうまくまとめられており、最後にほろっとするようなストーリー。 終わり方が切ないので、ぐっと心をつかまれる。 心に訴えるものがあり、それだけで幸せな気分にさせてくれる物語。 |
ティーンズ作家賞 No.T-3 東京都 垣花恵利奈さんの作品 |
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あらすじ | 東京の大学で知り合った東京出身の裕香と広島出身の茉莉。「地元」があることと「都会育ちであること」で、互いをうらやましく思いながらも友人関係を続けていた二人だが、ある時、茉莉は広島に帰省することになる。帰省先の広島から東京に帰って来た茉莉が語ること、そして茉莉の話を聞いた裕香が思いとは… |
評価コメント | 大学で県外に出ると、広島のことがわかる、という体感が表現された物語。 広島弁など、外から見た広島を浮かび上がらせたい、言葉遊びの作品。 今までは都会に憧れるのが主流だったが、主人公が地方に憧れているのが面白い。 登場人物それぞれの気持ちが伝わってくる話。 |
にしき堂賞 No.242 広島県の小林浩介さんの作品 タイトル『広島もみじまんじゅう物語』 |
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あらすじ | 人と話すのが苦手な僕に声を掛けてくれたのは、学校のムードメーカー、川合由佳だった。 修学旅行先の広島で、川合は“僕”に、割れたガラスが波に削られてできた“シーグラス”を手渡した。亡くなったお父さんに「これから由佳が傷ついたとしても、シーグラスみたいに周りの人たちが丸く磨いてくれるから大丈夫だよ」と教えてくれたと語る川合。さらにお父さんはもみじ饅頭を食べながら、「漉し餡は、粒餡の別の可能性なんだ」と話していたと語る。「粒餡が漉し餡になるかのように、いろんな力が重なって世界は回っている。そう考えると勇気が湧いてくる」僕は、川合のその言葉に、自分を変える勇気をもらった。 |
評価コメント | シーグラスがどんなものか、知らない人には浮かびにくい。 音だけでなく、絵がある方がわかりやすい作品かもしれない。 小説にして書くと、もっときれいなものになるのではないか。 ラジオには難しいかもしれないが、個人的に好きな作品。もっと読んでみたい。 |
特別賞 No.131 東京都 鈴木さやかさんの作品 タイトル『地球銘菓』 |
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あらすじ | 「宇宙人を見たことがある」と言う転校生・タクは、同級生のケンジにUFOを見に行こうと声をかけられる。ケンジの兄が言うには、満月の夜9時に、市民プールにUFOが来るらしい。その夜、宇宙人が好きだというもみじまんじゅうでおびき寄せようと、それぞれあんことチョコレートのもみじまんじゅうを持ち寄った二人。ケンジは、以前粒あんで試したが、うまくいかなかったらしい。宇宙人を待つ間、両親が離婚して祖父母に預けられていることを話すタクを、ケンジは自分なりに慰める。夜も更け、眠ってしまった二人は、不思議な足音にも気づかず… 翌朝探しに来た家族や警察の声で目を覚ますと、用意したもみじまんじゅうはチョコレート味だけが無くなっていた。 |
評価コメント | 宇宙ともみじまんじゅうを結びつける斬新さが光る、SFチックできれいな作品。 ストレートに少年時代がテーマになっていて、絵が浮かびやすい。 ちょっと不思議な終わり方でオチがきれい。 明るく楽しい物語で、音をつけるとより楽しめる作品だと思う。 |
総評 | |
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株式会社にしき堂 代表取締役社長 大谷博国さん | 辛口も言ったが、全部よかった。どれを一つ選ぶというのも難しく、みんな思いが入っていて、一生懸命作ってくれているのだと感じた。 広島発の芥川賞・直木賞も出そうな気がしてきて、嬉しいひと時だった。 |
「ラジプリズム」カンダマサヨシさん | ラジオドラマにしたらどれが面白いのか、という単純に物語を評価するだけではない
ところに頭を抱えたが、きっと面白い作品になると思う。 今まで聞いたことの無い人にも、こういう形のものがラジオドラマだというのを、これをきっかけに知ってもらいたい。 |
「一文字弥太郎の週末ナチュラリスト 朝ナマ!」一文字弥太郎さん | 笑顔になるドラマをこれから作って、ナチュラリストとラジプリズムで放送するので、楽しみにしておいてほしい。 選ぶことがこんなに大変かと痛感した。 |
3月30日(土)企画発表・作品募集開始 |
6月30日(日)作品募集締め切り |
7月13日(土)一次審査会(日本放送作家協会・中国支部より5名の皆さん) |
7月20日(土)最終審査会(株式会社にしき堂 代表取締役社長 大谷博国さん、 ラジプリズム カンダマサヨシさん、 週末ナチュラリスト 一文字弥太郎さん) |
『一文字弥太郎の週末ナチュラリスト 朝ナマ!』では、特別コーナー「ラジオドラマへの道」を放送中。
ラジオドラマの人気脚本家・北阪 昌人さんに、ストーリーを創造する楽しさや
初心者でも書けるコツを伺っています。
聴いているうちに・・・ほらっ! 書きたくなったでしょ?
北阪昌人(きたさか・まさと)
『NISSAN あ、安部礼司』(TOKYO FM)、『AKB48の“私たちの物語"』(NHK-FM)など数多くの番組を手がける、現代ラジオドラマ脚本のトップランナー。北阪さんへの質問は、こちらまで!
『週末ナチュラリスト』専用アドレス asanama@rcc.net