アシスタント:岩竹香織
さまざまなジャンルのクリエーターが
金曜日の夜、週代わりでRCCラジオのメインパーソナリティとして登場。
自らの仕事の話、趣味の話、これまでの生き様、好きな音楽など、
クリエーターが白いキャンバスに絵を描くようにお送りする2時間の生放送。
広島の若者たちに
熱いメッセージを届けます。

山口県を拠点に活動するオートマタ作家 原田和明さん。日本だけでなく世界中のコレクター支持される原田さんをお招きし、「オートマタ」の魅力をたっぷり聞きました。
「オートマタ」とは、西洋のからくり人形のこと。仕組みはとてもシンプルです。箱の中には機械仕掛け、箱の上に人形、ハンドルを回せば箱の上の人形が見える。特徴的なのは箱の中の機械仕掛けも見えること。
原田さんは、西田明夫さんの本「オートマタ/動くおもちゃ」との出会いがきっかけにオートマタの世界に飛び込みます。会社勤めの傍、作品を作っては西田さんに見せに行き、褒められては自信をつけ、どんどんその世界に魅了されて行った原田さんは本格的にオートマタ作りを学ぶことを決意。イギリスのオートマタ第一人者マット・スミス氏に弟子入りすることになります。
今から40年ほど前、イギリスのファルマスという町で生まれたオートマタ。どの作品も、作家のユーモアや時にシュールなアイデアが込められ、作った人の個性や性格が豊かに表現されるものばかり。イギリスでオートマタ作りに励んだ原田さんも、少しずつ自分らしい作品のスタイルを身につけていかれます。渡英前は弟子入りを断わられていたマットさんと、徐々に距離を縮めていかれたエピソードや、マットさんから学んだ人として作家としての姿勢、そして急遽共に奥様もイギリスに暮らすことになったお話など、全てが原田さんの作品の魅力につながっているよう感じ、作品同様とてもワクワクするお話ばかりでした。
今年夏、これまでの作品をまとめた作品集を出版された原田さん。自分の本を出すことはずっと目標であり、夢であったそう。原田さんが西田さんの本によりオートマタの世界に飛び込んだように、この本を手に取った誰かにもそんなきっかけとなって欲しい。そんな願いが込められた本には、原田さんのユーモアで軽やかな思考がたくさん詰まっています。作品を見ればクスッと笑い、その後不思議な余韻に包まれる。本のタイトルが「話せば短くなる」と言うのはまさにその通りで、オートマタのことを知らなくても、多くの説明を受けなくても、ハンドルを回せば楽しい世界がぶわりと広がる不思議なオートマタの世界。今回原田さんとお話したことで、ますます好きになりました。
音楽も大好きという原田さんは数々の名曲をモチーフにした作品作りもされています。今回番組に選んでくださった6曲も、曲を元ネタにした作品が存在します。
オンエアリスト
- Minor Swing / ジャンゴ・ラインハルト
- バナナボート / ハリー・ベラフォンテ
- HELP! / ザ・ビートルズ
- コーヒーカンタータ / バッハ
- 黒くぬれ! / ザ・ローリングストーンズ
- ライク・ア・ローリングス・トーン/ ボブ・ディラン