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  5. Canvas Traveling Edition 今週の旅人 田中稔子さん

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福岡奈織
アシスタント:福岡奈織

Canvas Traveling Edition

広島の最前線で活躍するさまざまなジャンルのクリエーターがパーソナリティを務めるCANVASのスピンオフ番組。番組では学生時代にピースボートで世界一周も経験した福岡奈緒が、旅が好きなゲストを交えて、旅の記憶と、旅を彩る良質な音楽とともにナビゲートします。
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8月9日、長崎への原爆投下から74年。8月上旬に漂う慰霊と鎮魂の祈り、そして多くの人々の苦痛と原爆の惨禍に思いを馳せながら、壁面七宝作家の田中さんにお越し頂きました。

鉄などの金属に色を焼き付けてつくる「七宝焼き」。田中さんはこれを大きな壁面に創作します。「日本美術展覧会(日展)」などにも作品を展示し、海外の美術館にも作品があり、また、1981年にはローマ法王に作品を献上されました。

田中さんは19歳の時、デザイナーを目指してひとり上京した後、海外に行ってみたいという強い思いで台湾へ渡られました。そしてベトナム戦争が激化する直前、1962年、ベトナムに渡ります。ベトナムからタイ、シンガポール等を巡って戦争の痕跡を巡って旅をしたそうです。
ベトナムでは、ジャングルを車で抜ける際、ベトコンが襲ってくるかもしれないので窓を開けるなと言われたり、滞在していたレストランが帰国後間もなく爆破されたり、と戦争の空気を肌で感じて来られました。また、タイヤシンガポールでは、当時日本軍が侵攻した地域をまわり、日本が何をしたのかを確かめてきたのだそうです。

当時日本人女性で海外を一人で旅するというのはとても珍しいこと。ご家族にも内緒で旅に出たという田中さん。帰国後はメディアにも注目され一時時の人だったとか。なぜ危険だとわかっているのにそんな旅ができたのか。それは原爆で一度死んだ自分の人生を、後悔のないように生きたいからだと言います。

田中さんは原爆投下当時、白島町で被爆されました。自分が被爆体験を語ることは、生き残った者として亡くなった方たちへ申し訳なくてできなかった。しかし2007年、初めて体験を語ったのは南米ベネズエラでした。広島では被害者として見られる被爆者が、非核兵器地帯の南米では核兵器のない世界へ向けての「希望」でした。被爆者が希望になれる。そう感じた田中さんは、それから海外での証言活動を精力的に行うようになります。
原爆投下について落とした国アメリカを恨まない気持ちがないわけではない。しかしアメリカの人に会い、話をし、心を通わせることでこの人たちも人間だったんだと感じた時、恨む気持ちにはならなかったといいます。

「求められたところに行くだけです。」呼ばれたところへ行き一言一言を丁寧に紡ぐ。そうして出会う人びとと友達になり、人間同士の付き合いをすることが平和な世界への第一歩となる。原爆を経験し、世界あちこちを見てきた田中さんから、やりたいことをやりましょうと背中を押されているようでした。自分は生かされている。縁に導かれるままにその道で真摯に人や出来事と向き合ってきた田中さんのcanvasは、これからもまだまだ彩を深めていくのだろうと感じました。

  1. オンエアリスト

    1. イマジン/ジョン・レノン
    2. 花~すべての人の心に花を〜/喜納昌吉&チャンプルーズ
    3. テネシー・ワルツ/パティ・ペイジ
    4. 赤とんぼ/日本合唱協会

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