43回目は、
産科・婦人科 藤東クリニック 副院長 藤東猶也さんです。
「出生前診断」について教えて頂きました。
大きく分けて、侵襲(しんしゅう)的な検査と
非侵襲的な検査があるそうです。
聞きなれない言葉ですが侵襲的とは体への負担があることで、
おなかに針をさして羊水をとって行う羊水検査や、
胎盤の組織の一部をとる絨毛検査のことをいいます。
非侵襲的的な検査とは
体への負担が少ない検査として
NIPT(ノンイノベーシブプレネータルジェネティックテスティング)
という遺伝学的検査やクアトロテストというタンパク質を
調べる検査があります。
妊婦さんの血液をとって、
血液の成分から先天的な確率を調べる検査で、
藤東先生の大学院での研究テーマが、
こちらに関する研究だったそうです。
お母さんの血液から、赤ちゃんのいろんな情報が
得られることをぜひ知って欲しいと藤東先生。
出生前診断を受けられる場合、
いきなり侵襲的な検査というのは体に負担が大きいので、
まず非侵襲的な検査をしてみて、
確率が問題なければ染色体異常の病気については
ほぼ心配ありません。
陽性だった場合に、次の段階として、
侵襲的な検査である羊水検査や絨毛検査を行います。
妊娠して10週で
1番早く検査が出来るのはNIPTですが、
まだNIPTは費用が高く、施設によって異なりますが、
15~20万円と高額です。
さらに現在はNIPTを行うにあたって施設認定をしており、
遺伝カウンセリングで、検査を受ける前に
お話をしっかりすることが施設に求められるようになりました。
デリケートな問題ですが、高齢出産も増えている中
出生前に子供の状況を把握しておく、
そこから、どう人生を育むかを一緒に考えることも
産婦人科医の大切な仕事ですと藤東先生はおっしゃいます。
一つの命に真摯に向き合う尊いお仕事だと
改めて思いました。