128回目は、先週に続き、
広島中央通り 香月産婦人科の
生殖医療科部長 兼 副院長 楠田朋代先生です。
「不育症」について伺いました。
不育症とは、2回以上の流産を繰り返してしまった場合のことをいいます。
ここでいう妊娠とは、胎嚢がみえたあとの流産をいい、
妊娠検査薬が陽性になったけどすぐに月経が来てしまったという場合は
化学流産といい、妊娠回数には含めません。
妊娠自体は問題なくできるけど流産を繰り返している方もあれば、
妊娠しづらく、かつ流産を繰り返している方もいます。
経験された方はとてもつらい思いをされている方も多い流産ですが、
一般的に妊娠されたなかの、15-20%は流産になるとデータがあり、
年齢的には40代の方では4割以上が流産となる場合があるそうです。
そして、妊娠初期の流産は、ほとんどが赤ちゃん側の異常で、
7-8割は染色体の数に異常があると言われています。
ただ、流産を繰り返した場合、母体側の原因がないかを調べるために
不育症のスクリーニング検査をすることもあります。
子宮の形態異常や甲状腺異常、染色体異常、凝固因子の異常で
胎盤をつくっていく細い血管が詰まってしまって
流産しやすくなる体質ではないかなどを調べます。
検査をしたことで、モヤモヤが晴れて前向きになれた」と
言われる患者さまも多いとのこと。
不安な気持ちを抱えているよりは
検査で原因をはっきりさせることが心理的にもいいのだと
思っていますと楠田先生。
不育症でも妊娠へ向かうには、いろいろな方法がありますし、
70%以上の方が出産することができます。
つらい経験ですが、一緒に乗り越えていく方法を考えましょうと
お言葉を頂きました。
悩まれている方がいたら、ぜひご相談下さいね。