明日、広島は76回目の「原爆の日」を迎えます。
被爆者の高齢化で、記憶の風化や平和意識の低下が懸念される昨今ですが、
今日の「ごぜん様通信」では、歌を通して平和の尊さを呼びかけていらっしゃる、
広島歌謡界のレジェンド・南一誠さんにお越しいただきました。
2005年にリリースされた『♪被爆アオギリ百万本』という楽曲。
ドミニカ共和国でレコーディングされ、
現地の女性歌手アリシア・バローニさんともに
日本語、英語、スペイン語で歌われています。
そもそも、ドミニカ共和国での『ベースボールアカデミー』創設を機に
友好関係を築いていく中で、2000年に平和の象徴「被爆アオギリ」が贈られました。
それから5年後。 その成長した姿を視察しようというタイミングで、
この楽曲も作ることになり、レコーディングを兼ねて、一誠さんもドミニカへ。
以来、この季節になると、コンサートで歌ったり、
RCCラジオ『南一誠のゆめ語り一誠一座』でオンエアしたり、と
楽曲を通して平和を呼びかけていらっしゃいます。
今回、お話を伺って印象的だったのは、2005年に視察したアオギリの様子。
そもそもアオギリは落葉樹で葉っぱを落としながら成長しますが、
気候風土の違う南国では、そう簡単には育たないそうです。
そんな中、現地の方々が大切に大切に見守り続け、
一誠さんが目にしたアオギリは、上へ上への成長ではなく、
しっかりと地面に根を張った姿だったとか。
戦争を体験していない私たち世代からすると、
平和は当たり前のことだと感じることもあります。
ただ、それは誰かに与えられたものではなく、
先人からの思いを受け継いで私たち自身が守って行かなければならないもの。
人々の気持ちが連なって、異国の地で力強く根を張るアオギリを思い浮かべながら、
そんな思いに駆られました。
「歌を通して、知らない人が知ってくれるひとつのキッカケになれば…。」と一誠さん。
平和へのアプローチは、色んなスタイルがありますが、
こうして歌を通して感じることもひとつですね。
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