長引く「コロナ禍」で たくさんの企業が経済的ダメージを受けていますが、
なかには、新たな取り組みによって成功をおさめている例も見られます。
今日の「ごぜん様通信」では、
人気スポーツカー『ロードスター』を専門にした「レストア事業」で業績回復を遂げた、
広島市安芸区中野の自動車修理会社「株式会社セイコー自動車」の
清金 誠司社長にお話を伺いました。
もともとは国産車を中心に広く板金塗装を手掛けていた同社。
最盛期は月200台の修理を行い、従業員も20人いらっしゃったそうですが、
安全性能が高い車の増加、車離れ、コロナ禍で修理台数が減り、従業員は3人まで減少。
生き残りをかけて考案したのが、
1台の車を3人で修理する『ロードスター』の「レストア事業」。
その選択が奏功し、業績は回復、従業員も5人まで増えたそうです。
ちなみに、「レストア」とは古い車を「新車に近い状態」まで復元する事で、
単純な修理とは違って膨大な時間と根気が必要なんだそうです。
現在は2~3ヶ月に1台というペースで依頼者と話し合いながら作業を進めています。
まるっと新車を目指すだけでなく、こだわりのパーツを残したり、想い出の傷を残したりと、
依頼者の思いを汲みながら『ロードスター』を蘇らせているのだそうです。
ちなみに最近の車は電子制御が進み、レストアするとなると大規模施設が必要なため、
同社で受け付けているのは、初代(1989年~1998年)と2代目(1998年~2005年)に限定。
ただ、旧車への憧れを持つユーザーが多く、継続的に引き合いがあるとか。
カーボンニュートラルが叫ばれる中、ガソリンを排出する旧車は環境に良くないのでは?
そう思われる方も多くいらっしゃると思いますが、
「古い車を乗り続ける事はCo2排出量だけでは測れないSDGs的な側面がある」という学説も。
参考文献
大量生産・大量消費社会の中、モノを大切に使い続けることの尊さは、
車に限った話ではないかも知れませんね。
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