徳島の伝統芸能・音楽といえば、人形浄瑠璃や阿波踊りのよしこのが、今でもよく知られるところです。しかし徳島には、一般には知られていない数多くの芸能・民俗音楽が、まだまだ眠っています。
徳島県鳴門出身の舞踊家・檜瑛司さんは、戦後、県内の山々、村々をフィールドワークし、その土地に伝わる民謡、神楽などを取材・収集。数百時間にも及ぶ音源を残しました。
檜さんが亡くなった後、その意思を受け継いだ娘の千尋さんは、その資料を何かの形にしたいと、編さん・CD化、「阿波の遊行」を製作しました。
このCDには、定番の阿波踊り、三番叟、襖カラクリ、さらには、辺境の一地方の祭りなど、５０を超える音源を収録されています。番組では、その音源を聴きながら、檜瑛司さんの足跡をたどります。

また、檜瑛司さんは、音源の他、多くの写真も残しており、CDに続いて去年、写真集も製作されました。音源・写真、そのどちらも徳島だけでなく、日本の民俗学にとって貴重な資料といえるでしょう。