マツダミュージックドライブ

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今週のMUSIC LIST

2016.08.06

風をあつめて/レヨナ
こころ/アン・サリー
時代おくれ/河島英五
(「金子みすゞ記念館」主任・企画員 草場睦弘さん人生の1曲)

ドライブ日記

2016.08.06

●住所:山口県長門市仙崎1308
【金子みすゞ記念館】

みなさん、この詩を知っていますか?


「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。
「馬鹿」っていうと「馬鹿」っていう。
「もう遊ばない」っていうと「もう遊ばない」っていう。
そして、あとでさみしくなって、「ごめんね」っていうと「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、いいえ、誰でも。



2011年の東日本大震災直後、テレビCMで放送されていました。
この詩を作ったのが、
大正末期から昭和にかけて活躍した女流詩人:金子みすゞさん。

今回は、その足跡を辿ろうと、山口県長門市仙崎町へ。
この街は、金子みすゞさんが育った街で、
みすゞさんの生涯や足跡に触れることができる
「金子みすゞ記念館」があります。


と、その前に、山口県宇部市にある「小野茶」の茶畑へちょっと寄り道。(*^_^*)

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夏空にチャノキの緑が映えます!!
たくさん写真を撮ったところで…

再び車を走らせおよそ1時間。
到着しました!金子みすゞ記念館。

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金子みすゞさんは、
先ほどの詩「こだま」のほかにも、

「みんな違って、みんないい」というフレーズが印象的な「わたしとことりと鈴と」、
「大漁」など、
26歳でその生涯を閉じるまで、512編の作品を残しました。

そんな金子みすゞさんについて、
金子みすゞ記念館 主任・企画員の
草場 睦弘さんにお話しを伺いました。

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20歳の時から詩作活動を始め、
晩年は、ご主人から詩を作ることを禁じられたために、
実際の詩作活動は、わずか3〜4年だったそう。

まるで日記のように詩を生み出していたようです。

草場さんは、

「みすゞさんの詩は、大切なことを教えてくれている」
と話します。

たとえば、『わたしとことりと鈴と』のでは、


『私が両手をひろげても、お空はちっとも飛べないが、
 飛べる小鳥は私のように、地面を速く走れない。

 私が体をゆすっても、きれいな音はでないけど、
 あの鳴る鈴は私のように、たくさんな唄は知らないよ。』

この中では、できないことばかりが書いてある。
でも、できないことがあって当たり前。

そのうえで、

『みんなちがって、みんないい。』

と結んでいる。
個性の尊重でなく、出来ないことを認め合おう。
そういう意味の詩だとわかると、みすゞさんの感性の鋭さを感じるし、みなさんにも感じてほしい。と、
草場さんが思う金子みすゞさんの魅力を、
情熱たっぷりに話してくれました。

館内は、みすゞさんの遺稿や着物が展示されている常設展示室、
詩を光や音を使って紹介する みすゞギャラリーなど
みすゞさんが遺した詩の世界にたっぷりと浸ることができます。

詩集やポストカードなどが販売してあるショップも。

館内を見学した後は、みすゞさんゆかりのスポットへ案内してもらいました。

仙崎のまちを歩き、詩に登場するお店があったり、みすゞさんの目線を感じながら…

草場さんおすすめ!という
「プロジェクトM2万」ギャラリーに到着しました。
ドアを開けると、、大迫力!!

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これ、並んでいるのは2万枚のかまぼこ板。
仙崎の名産であるかまぼこ。その板で、モザイクアートが作られています。
Mとは、みすゞのMと、モザイクのMをかけたそう。

そのかまぼこ板の上に、「大漁」の詩が大きく書かれています。大迫力でした。

また、照明を落とすと、びっくりな仕掛けもありますが、
ここでいうのはやめておきます(*^_^*)
皆さんご自身でご覧になってください!!

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金子みすゞさんは、
色んな物がみえたんだなあと感じます。
世の中のいろんなものの気持ちになれて、
声が聴けたのだと思います。

正直、これまでは「小学校の国語の教科書にのっていたな」という印象でした。
本当に損をしていました。


みすゞさんについてもっと知りたい!もっとその世界を感じたい!
金子みすゞさんの大ファンになりました。

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【金子みすゞ記念館】

●住所:山口県長門市仙崎1308
 広島から中国自動車道を下ります。山口:美祢(みね)インターチェンジを降り、国道435号から191号線を経由して約2時間半。
●開館時間:午前9時から午後5時
●入館料 一般/350円 小中高校生/150円
●駐車場:記念館裏に10台分専用駐車場あり
●詳しくは電話:0837−26−5155まで。
●「金子みすゞ記念館」ホームページも併せてご参考ください。


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