広島民話図書館

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「田螺の婿(タニシのむこ)」

私の母方の実家は三次ですが、小さい頃に行くと
定番の遊び場がいくつかありました。
そのうちのひとつが、田んぼに水をひく水路。
小さな階段を少し降りるとちょっとしたスペースがあり、
そこで野菜を洗ったり、刃物を研いだりします。
そこにずっと住み着いている魚のヌシ(と、呼んでいた)を探したり
カエルやオタマジャクシをすくったりして遊びました。
そして、必ずたくさん目にしていたのが、田螺です。
あそこにも、ここにも、黒くて小さな巻貝がたくさんいました。

きっと、昔からそんなありふれた存在でありつつ、
一方で水の神、田の神の使いとも信じられてきたそうです。

今回は、北広島町で採録された話です。


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一般的な「田螺婿」は、
おじいさんとおばあさんの間に田螺の子を授かるところから話が始まりますが、
今回はまた少し違うストーリーでした。
田螺が登場する話は、そのほかにも「田螺長者」「田螺と狐」
「田螺とカラスの歌問答」などいろいろありますが、
このようなほかの話と混ぜて語られたのかもしれません。

今回の民話のように、他の動物に姿を変えられていた男性が、
心優しい女性と出会うことで人間の姿に戻る、というストーリーは
日本だけでなく、世界中にあります。
例えば、「美女と野獣」。
ディズニー映画のイメージがありますが、
元々はフランスの民話です。
他にも、グリム童話の「カエルの王子」や
ロシアの「蛇婿」という民話も、このような筋の話です。



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