皆さんは、定家様(ていかよう)ってご存知ですか?
平安から鎌倉にかけての歌人、藤原定家の書のことなんですが、
味があって、とっても魅力的な文字なんです!
この定家の書についての展覧会
「定家様が伝えた文化 そうだったのか藤原定家さん」を開催中の、
筆の里工房の学芸員 郡司健太郎さんにお話を伺いました。
藤原定家さんは、800年ほど前に活躍した歌人で、貴族。
和歌を作ったり、研究をしたりしていた家の出です。
こだわりが強く、気難しい方だったようですが、
言い方を変えると、天才肌の一面を持つ人。
定家さんがつけていた日記、
明月記によく書かれていたのは「窮屈」という言葉だそうで…
そんなところからも、どんな人なのか想像できますね。
定家さんの書かれた文字「定家様」は、
なんと800年も残り続け、今も使われているという字体。
文字の線の太い細いのメリハリがある、
今でも読みやすいような、一つひとつが認識しやすい文字、
文字が平たい、または四角い、といった特徴があります。
郡司さんいわく「ビジュがいい」文字なんです!
定家様は、定家さんの子孫、冷泉家の方が復活させて継いでいたり、
茶の湯の世界でも人気で、今でも書かれる方もいるそうですよ。
展覧会の期間中は、前期・中期・後期と一部の作品が入れ替わるため、
何度行っても楽しめる展示となっています!
郡司さんが思う見落とせない作品は、
中期に展示される「反故懐紙」という作品。
定家さんが書き損じた紙が、掛け軸になっている、というものだそうです。
「筆の里工房 開館30周年記念
定家様が伝えた文化 そうだったのか藤原定家さん」は
熊野町の筆の里工房で、11月4日まで開催されています。
ぜひ訪れて、魅力的な字体と対面してみてくださいね!