TBSラジオの「たまむすび」というラジオ番組が3月末で終了するという。
11年続いた番組だ。
実はこの「たまむすび」になる前の「キラキラ」という番組に
ぼくは火曜のコメンテーターとしてレギュラーで出ていた。
しかし、11年前のこれまたRCCラジオやテレビの収録帰りの飛行機の中で
くも膜下出血に見舞われ喋れない体になってしまった。
ラジオの仕事は、実は大好きな仕事であった。
テレビよりラジオで喋ることが好きだったかもしれない。
それから半年経った頃、TBSラジオのプロデューサーや編成局長が
入院中の病室にいらして、番組が終わってしまうこと、
新しい番組は赤江さんがやるということの知らせにやってきてくれた。
なんとなく、前の番組で回復するのを待っていますね、そう言ってくれていて
そんなことは無理だとわかっていても、ありがたく、
それがなくなってしまうのはちょっぴり寂しかったと書いてある。
その頃のぼくは、寝たきりで喋ることもできず、
天井を見つめることしかできなかったのだ。
だけど、新しい番組が始まる頃になると、
毎日病室でラジオをつけて聞いている。
すっかりヘビーリスナーになっていた。発信する側から受け手になった。
「病気療養中の方や」、なんていうMCの方のセリフが今ならしっくりくる。
本当だ、病室や、寝ていなければいけない部屋の中で聞くラジオは、
救いの手のようでもある。
僕の小さな社会との大切なつながりにも見えた。
2、3年経った頃赤江さんもボクのイベントにわざわざいらしてくれた。
ベッドにいるとよくわかる。
ラジオって大切なんだなあとラジオの役割をおもい知った。
喋れないボクに暴挙とも言えるラジオの仕事をくださった
一文字さんや岡さん、TBSの皆さん、
それって思ってる以上にボクみたいな体の人にも、
全く違う病気で聞いている人にも勇気を与えていると思う。
そのこともすごいことだけど、ラジオの力を改めて思う。
目を瞑っていてもお気に入りの声が聞こえてくる。
知り合いのようにその声を毎日、毎週楽しみに聞く。
もちろん会ったこともないのが普通だけど、親近感まで湧く。
それがラジオのいいところだ。
日本中にそんな人がいっぱいいる。
赤江さんの声が午後聞けなくなるのは寂しいけれど
これからまた新しい何かが始まるだろう。期待してラジオをつけたい。