新しい仕事が始まるときは、いつも少しだけ緊張する。
そして、ほんの少しの期待と、それよりも大きな責任感を持って、
現場へと向かう。
今回は石川県。登嶋健太くんが中心になって動き始めた
新しいプロジェクトに同行することになった。
羽田から飛行機に乗り込み、わずか1時間ちょっとで小松空港に降り立つ。
窓の外に見えた日本海は、梅雨空の下で、どこか鈍い色をしていた。
空港からは車に揺られ、能登半島を目指す。
途中、道路脇にブルーシートや崖崩れがそのままになった山が目立つ。
あの地震から半年が経とうとしているが、
まだその爪痕は各所に残ったままだった。
珠洲市をはじめ、被害の大きかった地域を訪れた。
倒壊した家々、ひしゃげた電柱、ひび割れた道路。
テレビの映像では見ていたつもりだったが、
やはり現地に立つと空気の重さが違う。
崩れた瓦礫の隙間から、誰かの日常がこぼれ落ちていた。
新しいことを始めるときに大事なのは、
「相手を知る」ことだと、よく言われる。
今回の「相手」は、単なる仕事のパートナーや地元の関係者だけじゃない。
この土地そのもの、ここに生きる人々の歴史、文化、
そして今抱えている痛みや不安――
全部を知ることが必要だと思った。
車を走らせながら、あちこちに地震の痕が残る景色を見て回る。
壊れた家と、そこに咲く紫陽花。傾いた電柱と、その向こうに広がる青い海。
悲しみと、美しさが混ざり合った不思議な光景が続く。
登嶋健太くんが始めようとしていることも、
この場所、この人たちと、どう向き合うかが問われる。
まずは、知ること。そして、寄り添うこと。
そこからしか、本当の意味での「始まり」は生まれない。
たった二日間ではあったがその土地を見て回る。
素敵な石川の場所も被害にあった痛ましい場所も。
能登半島地震の支援に関する仕事にいままでの活動が活かせるならば良い。
