今年を振り返ってみて、ありがたいことは山ほどある。
仕事のこと、家族のこと、出会いと別れ。
本当は、感謝の言葉はいくつも並べられる。
そのなかで今日はひとつだけにしようと思う。
今年の12月、義父が亡くなった。
いわゆる「ザ・昭和の父」だった。
不器用で、ワンマンで、自分のやり方を曲げない人。
今の時代なら、ちょっと敬遠されるタイプかもしれない。
けれど、振り返ってみると、あの人は実に愛情深い人だった。
言葉は少なかったが、背中で語る人だった。
褒めるより、任せる。黙って見ている。
そんな父だった。
ボクのような、少し破天荒な人間と娘が結婚すると決まったときも、
多くは語らなかった。ただ、静かにこう言った。
「いまからは、君たちがつくる神足裕司家を大切にしてほしい」
それだけだった。
ただ、ただ、未来をそのまま預けてくれた。
あの一言が、ずっと心に残っている。
結婚というのは、家と家がつながることでもある。
けれど同時に、新しい家が始まることでもある。
義父は、そのことを誰よりも分かっていたのだと思う。
昭和の男らしく、不器用で、言葉足らずだったけれど、
いちばん大事なところだけは、外さない人だった。
今年は、別れの多い一年だった。
ああ、ボクはちゃんと支えられて生きてきたんだな、と。
ありがとう、という言葉は、
普段は照れくさしくて、なかなか口にできない。
でも、年末だけは言ってもいい気がする。
義父へ。
たくさんは言えないけれど、ひとつだけ。
ありがとうございました。この言葉を胸に、また新しい年を、
ボクたちなりの「神足裕司家」として静かに歩いていこうと思っている。
