今回のキーワードは「電子カルテの標準仕様」。
一言で言えば、「全国の電子カルテが守るべき共通のルール」のこと。
各病院がそれぞれのやり方で、それぞれのメーカーと組んで、
自分たちだけのシステムを作り上げていたため、
後になって「構造的な落とし穴」に気付くことになりました。
課題は「繋がれない」「乗り換えられない」「守りきれない」の三つです。
▶一つ目「繋がれない」
データの「言葉」がバラバラで、
言うなら病院ごとに別々の言語を使っているようなもの。
標準仕様が目指すのは、全国どの病院でも通じる共通言語のカルテへの転換。
また、システム同士のつなぎ方もバラバラなので、
ここもそろえていく必要があるそうです。
かかる費用も数百万から数千万と、経済的な負担も大きくなっています。
▶二つ目「乗り換えられない」
一度あるメーカーのシステムを入れると、
データを他のシステムに移すことが非常に難しく、費用がかかり
実質的に乗り換えができない状態になってしまっています。
これを「ベンダーロックイン」と呼びます。
ベンダーとはメーカーのこと。ロックインとは、鍵をかけられた状態。
一度導入したメーカーから抜け出せなくなってしまう構造です。
▶三つ目「守りきれない」
各病院が自前のサーバーを持つため、
セキュリティの維持も自前で、となってしまいます。
中小の医療機関が、サイバー攻撃に個別で対応するのは限界があります。
全国どこでも起き得る構造的なリスクとなっています。
この三つの問題を解決するために、国が初めて踏み込んだのが、
今年策定された電子カルテの「標準仕様」です。
今回、厚生労働省とデジタル庁が連携して、
初めて具体的な仕様として示したそうです。
内容を簡単に言えば、以下の三つです。
① クラウドへの移行
② 接続口の統一
③ データの共通言語の採用
一見すると医療機関のための話に見えますが、本質は
「公共インフラとしての医療情報システム」を社会全体で設計し直す試み。
導入には時間がかかり、課題もたくさんありますが、
国がルールを示したことの意味は大きい、とのことでした。
株式会社レスコの藤川佳應社長に教えていただきました。
