つどいのひろば


先日、日本時間の11日に授賞式が行われた、第96回アカデミー賞!
今日は、映画コメンテーターの鈴木由貴子さんに
スタジオにお越しいただき、解説してもらいました。

ご紹介いただいたのは、
作品賞や監督賞をはじめ、13部門にノミネート、7冠となった
クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』。
原爆を開発した物理学者の半生を描いた作品です。
日本での公開を、3月29日に控えています。
原爆の悲惨さを描くシーンが少ない、といった話もありますが、
作品としてのクオリティが高く評価されています。
科学者としてのオッペンハイマーがどう描かれているのか、注目です。

そして、日本国内で話題となったのは、山崎貴監督『ゴジラー1.0』!
視覚効果賞をアジア初受賞しました!
少ない予算・スタッフ数の中、ハリウッド大作映画の規模のクオリティで、
老若男女問わず人気作となっています。

鈴木さんによると、
アカデミー賞は、多様性が求められるように変化しているそう。
近年でいうと、『パラサイト』や『エブエブ』など、
アジアの作品も注目を集めていますよね。
会員の割合にも、女性が増えるなど変化がみられるとか。

さらに、『ゴジラー1.0』だけでなく、
宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞、
役所広司さん主演『PERFECT DAYS』が国際長編映画賞ノミネートなど、
日本人にも追い風が吹いている、とのことでした。

コロナが落ち着いてきて、映画界の状況も戻りつつある今、
現代の不安な世界情勢が見て取れる作品も多くありました。
今後の映画界は、さらに盛り上がってくるのでしょうか。
皆さんもぜひ、気になった作品ご覧くださいね。



「ほとばしる浪花節」、浪曲師・曲師の玉川奈々福さんに
スタジオにお越しいただきました!

昨年「はだしのゲン」が平和学習の教材から削除される、
というニュースが出た際、理由の一つとして挙げられていたのが浪曲。
そこで声を上げられた奈々福さんに、お話を伺いました。

結果として「はだしのゲン」は、
平和学習の教材から削除されてしまいましたが、
奈々福さんは、浪曲を正しく知ってもらおうと、
教育委員会にアプローチされています。

浪曲は、150年ほど前に生まれ、もともとは身近にある大道芸でした。
独特のうなりと、三味線のみで作り上げる、即興和製ミュージカルです。
泣いたり、大笑いしたり、感情が大きく動く浪曲。
感情に蓋をしがちな今の時代にこそ、
むき出しになって楽しんでほしい、とお話しされていました。



今回奈々福さんは、浪曲に親しんでもらおうと、連続公演を行われています。
「玉川奈々福連続公演 浪曲徹底攻略シリーズ」!
3月~5月まで全3回で、浪曲の超有名な演目を、解説の後実演、という
とても手厚い公演となっています!

3月に行われたのが「清水次郎長伝」。
残り2回は、4月21日(日)「天保水滸伝」、
5月26日(日)「赤穂義士伝」。
いずれもJMSアステールプラザで、午後2時開演です。
興味のある方、ぜひ訪れてみてくださいね!


3月3日(日)の会、楽しんでこられた岡さんでした



きょうは4時間を通して、「性的マイノリティ」について考えました。
そのきっかけを下さったのは、岡さんのお知り合いでいらっしゃったA子さんのお話でした。

A子さんは、トランスジェンダー女性と診断を受けた娘さんを持つ母親です。
娘さんは3歳のころから、
女の子の遊ぶものが好きだったり、女の子のキャラクターが好きだったり、
最初はただの興味と思っていたそうですが、
本人は「自分は女の子」と信じて疑わなかったそうです。

ただ、娘さんが望む形で生きられればいい。シンプルな話です。
ただ、世間はそうさせてくれません。
保育園では男女に分けられ、冷たい視線を送る保護者もいる。
中には存在を認めない人もいる。
権利を求めて声をあげることもできますが、
A子さんは聞き流すというか、さらりと流す方がいいと考えていたようです。

ただ、もうひとつ、A子さんには悩みがありました。
それは、自分自身。
病院の先生から言われても、
娘さんのことをトランスジェンダー女性だと断定できなかった自分、
世間一般の「普通」の人生だったらラクなのにと思う自分が、
心の片隅にいて、苦悩されているようでした。

そんなA子さんの抱える葛藤を誰かに相談できないかと探して、
わたしたちは、庄原市に住むトランスジェンダー女性、奥田圭さんに巡り合いました。

奥田圭さんは、1960年庄原市生まれ。
58歳で女性として生きることを決め、
2022年、庄原に「Chosen Family Shobara」を開設、
LGBTQ+のためのセーフスペースを開設し、居場所づくりを行っていらっしゃいます。

奥田さんは、A子さんの思いを正面から受け止めます。
そして、嫌になるという感情は、
娘さんを愛していて、受け入れたと思うことの裏返しだと語りました。
そして、それを何とかしたいと思うこと自体が尊い、と。

偏見はいけない。みんな分かっています。
だけど、社会が作り出す思い込みや決めつけは、
意識しなくても私たちにこびりついています。
今回の取材を通して、岡もスタッフも、
時代の社会通念が、身体にしみついていることに気づかされました。
トランスジェンダーの方々が抱えている苦労に比べれば、
些末な話ですが、自分達は想像力を失っています。

きれいごとだけでは、社会は変わりません。
偏見を持つ自分自身と向き合うことが、
差別をなくす第一歩になるのかもしれません。



新しい頑張るの形、「頑張る2.0」を提唱したい岡さん!
そのためには「頑張る」とは何か知ろう、ということで、
「頑張る」について研究されている、
帝京大学 文学部 社会学科教授の 大川清丈先生にお話を伺いました。

頑張るを辞書で引くと、忍耐・努力といったワードが。
つまり、日本式の頑張るは、やればできる・頑張ればできるというもの。
どれだけ努力したかが重要視される「努力万能主義」とも言えるとか。
対して欧米の頑張るは、元々持っている能力+努力の頑張る。
岡さんの「頑張る2.0」は、欧米の頑張るに近いかも、とのことでした。

頑張るが大きな意味を持つようになったのは、
終戦直後に合言葉のように言われていた「お互い頑張ろう」という言葉。
社会全体が貧しさからの脱却を目指して、まさに努力と忍耐の日々でした。
戦後の頑張るからの変化は、高度経済成長期。
豊かになった日本社会、頑張れば頑張っただけ報われる時代になりました。
バブル崩壊後には、頑張っても報われない時代になり、
頑張ることより、今を楽しむこと、が優先される風潮になりました。
これには格差社会が関係していて、
頑張ったところで元々持っている人には敵わない、
という思いがが広まってしまいました。
さらに豊かになっため、頑張る必要がない、と考える人も出てきました。

ただ、日本人の気質もあり、今後「頑張る」がなくなることはない、と
大川先生はお話しされていました。
自分を奮い立たせる「頑張る」はいいけれど、他人に強要する「頑張れ」は、
相手の立場に立って考えてみてからの方がいいかもしれませんね。
心理学的には、「頑張れ」ではなく、
褒める時に「頑張りましたね」と言うのがいいそうですよ。
さらに、とりあえず頑張れ!ではなく、
これをこうした方がいいよ、など具体的な指示が望ましい、とのことでした。

もっと詳しく知りたいという方は、
帝京大学出版会 帝京新書 大川清丈先生著
『「頑張る」「頑張れ」はどこへいく 努力主義の明暗』を読んでみてくださいね!


東林館高等学校理事長 喜田先生の親子教育相談所。
今月のテーマは「アントレプレナーシップ教育」でした。

アントレプレナーシップの定義は、
「イノベーションを武器として、変化のなかに機会・チャンスを発見し、
 事業を成功させる行動体系」。
新たな事業を創造し、クリエーションして、
リスクに立ち向かう精神・姿勢、考え方、あり方、振る舞いのことです。

今、アントレプレナーシップが求められる理由は、
1.低下する日本の国際競争力を回復する鍵と考えられているため
2.雇用形態の変化に対応するため
3.急速な日本社会の変化  などが挙げられます。

アントレプレナーシップ教育にある、
心がけることが望ましいポイントというのが、
1.新しいアイデアを否定しない
2.失敗が認められる
3.既存の考え方や価値観に囚われない です。

アントレプレナーシップを発揮しやすい人材の資質としては、
・リスクに対してポジティブである
・未来をイメージできる
・解決したい社会問題がある
・自分に対する自信がある
・優れたマネジメント能力ある
・新たなビジネスモデルやイノベーションを生み出す創造性がある
・人脈・人的ネットワークの構築力
・学び続ける精神
・力強いリーダーシップ  などがあり、
いわゆる「非認知能力」の延長線上の力となります。

思春期の年代では、大事なのが、「自分で考える力」。
今の子どもたちは親や先生たちが経験したことのない世界を
自分たちで考えながら、人生を歩まないといけなくなっています。
そのため、できれば早いうちから、大人が答えを与えずに、
自分で考えさせる習慣づけが大切、ということでした。

詳しくは「こちら」をチェック!



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