現在はジャニーズ事務所の性加害問題の話題ばかりですが、
1年前は、この話題でもちきりでした。安倍晋三元首相の国葬の是非です。
今回のドキュメンタリー映画は、国葬の当日、2022年9月27日のたった1日です。
東京、山口、京都、福島、沖縄、北海道、奈良、広島、静岡、長崎の全国10都市にカメラを向けて、
その当日、わたしたちはどんな思いを抱えていたのかを映し出しています。
世論調査では国葬には賛成4割、反対6割、その結果に大島さんは懐疑的だったと言います。
この結果にはグラデーションがあるのではないか、
つまり「どちらかといえば反対」「どちらかといえば賛成」「無関心」・・・。
そんなニッポンを取り巻く空気を、大島さんは映し出したかったと言います。
デモに参加し、最後まで国葬への反対を表明する人、
国葬に花を手向け、手を合わせる人はニュース映像などで拝見していましたが、それはごく少数・・・。
周りの顔色をうかがい、政治の話はタブー視して意見を表明しない人、
国が決めたことだからとデモを批難する、いわば報じられることのない意見も生々しく捉えられています。
しかしそんな姿も、どこか和を重んじる日本らしさのように感じます。
果たして、これでいいのでしょうか?
世界情勢も含めて禍々しいものが増えて、きな臭い空気を肌で感じます。
すさまじい情報が目の前を通り過ぎるだけではなく、
わたしたちが何を考えて、何を思って、どんな感情で捉えていたのか。
1年前を振り返る機会を与えてくれる映画となっています。
映画「国葬の日」は、西区横川の「横川シネマ」で、
11月3日(金)まで公開予定です。