出演:株式会社 フレスタホールディングス
執行役員 管理本部本部長 渡辺 裕治さん
Q「ヘルシストスーパー」にはどんな思いが込められているのか教えてください。
⇒・人生100年時代と言われ、長く働き続けることが当たり前になっている世の中で、
健康寿命が大きなテーマになっている。
地域のインフラとして、お客様の生活に寄り添い、
健康寿命を本気で考える会社になりたい。
そこで、9年前からヘルシストスーパーを標榜し、
“健康に関する選択肢が最も多い、最上級の健康提案企業を目指している。
・健康を支えるスーパーとして、働く人も健康でないと説得力がないので
従業員の健康向上にも取り組んでいる。
Q 今年度の健康経営として、特にどんな点に注力されたのでしょうか?
⇒・この1年もコロナに振り回された感が否めない。
他人と話をしてはいけないと言われると、
コミュニケーションが気軽に取れなくなり内向きになりがち。
関係性を重視し、チームの力でやりくりしている企業なので、
悪化しないように、2年ぶりに全社員の面談を実施。
・感染対策をしながら、出来る限り集まる研修を復活させたり、
社外の方との交流を促したりしながら、社内の関係性を維持する取り組みを実施。
Q フレスタでは濃厚接触などによって出勤できなかった従業員のケアにも
力を入れられたそうですね。
⇒感染者や自宅待機者も出たが、その方々に罪はない。
社内ルールの中で特別有給休暇をしっかり付与し、
一人暮らしで支援が必要な従業員には弊社の生鮮宅配のエブリディフレスタを使って、
商品を届けたりして、安心感を作ることに注力した。
Q 従業員のための健康の取り組みとして
新たな取り組みを企画されているそうですね。
⇒3月1日から「カラダアップデートチャレンジ」をスタート。
毎月、月替わりでテーマを設定、季節の食材を食事に取り入れてもらいながら
運動とセットで健康を推進していく取り組み。
例えば3月であれば、健康テーマを「免疫力アップ」と設定。
従業員はこの「免疫力アップ」というテーマに関する健康コラムや
運動動画をデジタルツールで受け取る。
また、アプリでこのテーマに沿った従業員限定のクーポンも届くので、
これらを活用することで健康知識をアップデートしてもらい、
実際に行動に移してもらおうというもの。
インセンティブとして、スマイルカードでポイントを付与していくような取り組みも検討。
Q この取り組みを通してどんなことに期待されていますか?
⇒自分の健康も向上しますし、お客様への提案にもつなげられる可能性がありますので、
地域の健康として目指していく。
出演:霞クリニック 島村泰輝先生
Q これから寒い季節になると脳卒中になる方が増えるそうですね。
⇒ 寒くなると、体温調節のため体の血管が収縮してしまいます。
その状態が続くと、動脈硬化が進んで血管が詰まりやすくなり、
脳卒中の危険性が高くなります。
Q 脳卒中って大変な病気ですよね。
⇒ 脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞や、
破れる脳出血やくも膜下出血などがあります。
どれも生命を一瞬で奪ったり、重い後遺症をもたらしたりする、
とても怖い病気です。
Q 脳卒中はどうやったら防げるのですか
⇒「発症を防ぐための予防」がとても重要です。
そのためには、「脳ドック」の受診をお勧めしています。
「脳ドック」とは、その名の通り、脳を詳しく検査するものです。
一般的な「人間ドック」では主に首から下を診断しますので、
頭部に関しては、ほとんど検査していませんので、
脳の病気を見つけることは難しいのです。
Q 「脳ドック」を受診すると何が分かるのですか?
⇒自覚症状のない脳梗塞をはじめ、破裂する前の動脈瘤や脳腫瘍など、
さまざまな脳の病気が潜んでいないかを調べます。
もし、なんらかの異常が発見された場合、
すぐに進行や悪化する恐れのないものが多く、
改善を行えば、特に処置をしなくても病気の発症を
回避することができるものも少なくありません。
Q 一般的な「脳ドック」はどのくらいの時間がかかるんですか?
簡単な流れを教えてください。
⇒全部で約45分程度です。
最初に、MRIは金属があるとくっついてしまうので
検査用の服に着替えてもらいます。
次に機械の中に入ってもらいます。
検査そのものは30分程度かかります。
終わったら自分の服に着替えて、お会計をして終了です。
Q どんな方に受診していただきたいですか?
⇒高血圧や糖尿病、肥満、
あるいはご家族に脳卒中になった方がいらっしゃる方など、
40才を過ぎたらぜひ一度脳ドックを受診してみてください。
Q 私たちにとって脳ドックを受診することは、
脳の病気の予防と早期発見という意味で有効ですよね。
⇒脳卒中は、「発症してから」の治療では手遅れになる場合が多いです。
脳ドックを受診することで、
自分自身が将来的にも脳卒中にならないかどうか、
また、予防していくきっかけをつくることができます。
Q どのくらいの頻度で受診すればよいのでしょうか?
⇒検診なので何回やってもらってもいいのですが、
費用対効果を考えると年に1回の程度で十分です。
年ごとに自身の画像が溜まっていくことで
なにかトラブルが発生したときに何時の時点から発生しているのかが
わかるという点でもおすすめです。
Q 最後に、脳ドックを受けてみたいという方は、どうしたらいいでしょうか?
⇒県内にも受診できる病院がいろいろあります。
ぜひお近くの専門医がいる病院を探してみてください。
霞クリニックでも、脳ドックをはじめ、
肺がん検診を主体とした検診を実施しています。
いわゆる健康診断や日帰りドックとは異なり
特定部位や疾患に特化したオプション検診のようなもので
長くタバコを吸うし家族歴もあるから肺がんが心配、
くも膜下出血の家族歴があるから脳動脈瘤が
心配というような方にお勧め。
検診・紹介、いずれの場合でも電話やメールでお問い合わせください。
出演:広島県歯科医師会 福井康人先生
Q 歯の健康と生活習慣が大きくかかわっているとはどういうこと?
⇒むし歯や歯周病のかかりやすさは、
歯や唾液の質といった、人それぞれの個性や遺伝的な要素もあるが、
それよりも食生活や生活習慣が大きく影響。
生活習慣を改善することで予防が可能。
歯磨きも生活習慣の一部なので、
むし歯がよくできる、歯ブラシをかけると出血することがあるような方は、
歯磨きの方法やタイミングなど、歯磨き自体を見直して頂く必要がある。
Q 歯を悪くしてしまう生活習慣にはどんなものがある?
⇒歯磨きをせずに寝てしまう、タバコを吸う、
酸っぱいものや炭酸飲料をよく飲む、間食が多い、
口呼吸をしている、などが挙げられる。
また痛みが出ないと歯科医院に受診しない、
つまり定期的に歯科医院受診する習慣がないというのも
歯を悪くする要因かも。
Q 食生活についてはどんなことに気を付ければいい?
⇒お口の中では食事をするたびにむし歯菌が歯を溶かす酸を作る。
むし歯菌が作った酸は唾液の作用によって中和されるが、
中和には30分程度時間がかかる。
間食が多かったり、頻繁にジュースなどを口にすると
お口の中が酸性に傾いてしまうので、むし歯ができやすくなる。
規則正しい食事を心掛けていただき、間食は控えめにして、
ジュースなどの糖分が入った飲み物を
ダラダラと時間をかけて飲まないようにしてください。
Q ジュースの飲み方にも注意が必要?
⇒寝ている間はほとんど唾液がでないため、
寝る前に食べたり、ジュースを飲んだりするとむし歯のリスクは非常に高くなる。
スポーツドリンクにも糖分がたくさん含まれており、
500mlのペットボトルで角砂糖約30個分程度と言われている。
運動中はあまり唾液が出ませんので、寝ている間と同じような状況となる。
スポーツドリンクは水分補給に非常に効果がありますが、
むし歯のリスクは高まるので、
スポーツドリンクを飲んだ後に水やお茶を飲んでいただいたり、
うがいをしてもらうといい。
Q たばこと歯の健康にはどんなかかわりがある?
⇒タバコの成分は、口の中に入ると粘膜や歯ぐきから吸収される。
吸収されたタバコの有害物質によって、歯ぐきの血管が収縮して血液循環が悪化し、
歯ぐきに十分な酸素がいきわたらなくなる。
歯周ポケットの中にひそむ歯周病菌のほとんどが酸素が苦手という特徴がある。
つまりタバコによって血液循環が悪化した歯周ポケットは
酸素が少ないので歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなり、
歯周病が進行する。
また、歯の表面に付着する「ヤニ」によって歯にばい菌が付着しやすくなるので
むし歯や歯周病のリスクが高くなる。
Q そのほかの生活習慣ではどんなことに気を付ければよい?
⇒口呼吸をしない、ストレスをためすぎない
マスク生活が長くなり、口呼吸をされている方が増えたような気がする。
口呼吸をするとお口の中が乾燥してしまうので、
唾液の作用(消化作用、潤滑作用、味覚作用、自浄作用、
抗菌作用、再石灰化作用、緩衝作用)が弱くなり、
歯周病やむし歯になりやすくなる。
また、ストレスがたまるとそれに耐えようとして、顎に力が入り、
無意識に歯ぎしりや食いしばりを行うことがある。
歯ぎしり、食いしばりは顎や歯に大きな負担をかけるので、
歯の痛みや顎の痛みにつながることがある。
Q 歯を磨く上でのポイントは?
⇒患者さんによってお口の中の環境が違いますし、
歯磨きの技術も違うので適切な回数、時間は人それぞれとしか言いようがない。
しかし、皆さんにお伝えしたいのは、まずは磨き残しなく
歯ブラシをかけていただきたいということと、
歯を1本1本磨くつもりで丁寧に歯ブラシを動かしていただきたいということ。
磨き残しなく歯ブラシをかけていただくこつとしては、
歯を磨く順番(スタートとゴール)を決めていただけば磨き残しがなくなる。
丁寧に歯ブラシを動かしていただくこつとしては、
歯ブラシをごしごし大きなストロークで動かさずに
細かく動かしていただくこと、
また、汚れが残りやすい、歯と歯茎の境目、奥歯の溝、
歯と歯の間は特に注意してブラシをかける必要がある。
Q 糸ようじなども使った方がいい?
⇒歯ブラシで頑張って磨いても汚れの除去率は60~70%程度と言われている。
特に歯と歯の間には汚れが残るので、
糸ようじ(フロス)や歯間ブラシのような
補助器具を併用していただくことをお勧めします。
Q 歯科医院への定期的な受診も欠かせませんね?
⇒皆さんご存じの通り、むし歯は初期の段階で治療することが出来れば
簡単な処置で終わることができる。
歯周病の原因となる歯垢は日常の口腔ケアのみでは
すべてを取り除くことは困難で、
残った歯垢が歯石となって歯にこびりついてしまう。
歯石は歯ブラシでは除去できませんので、
定期的に歯科医院で除去する必要がある。
むし歯の早期発見や歯周病の予防のためにも
定期的な歯科医院の受診をお願いいたします。
Q 体の健康を守るためにも、まずご自身のお口の中について、
注意を向けていただきたいですね。
⇒日本歯科医師会では11月8日を「いい歯の日」として
この日に合わせて様々な歯科保健啓発活動を行っている。
歯周病は全身の病気にも関連していることが分かってきており、
健康寿命を延ばすためにはお口の中を健康に保っていただくことが非常に大切。
「いい歯の日」を機会に是非一度ご自身のお口の中の状況を見直していただけたらと思います。
出演:福山熱煉工業株式会社 岡田 孝さん
Q 福山熱煉工業はどんな会社ですか?
⇒・「金属熱処理」を行っている会社。
・従業員数は約400名在籍。
広島・岡山・兵庫など6つの生産拠点を持つ。
・車や自転車、電車や飛行機などの乗り物から、
包丁やフライパン、ハサミといった道具まで、
皆さんの身の回りにある様々なものと関係しているお仕事。
「金属」に対し、加熱や冷却といった「熱処理」を施し、
より強く、より頑丈なものへと変化させる。
福山熱煉工業はこの「金属熱処理」を通して、
日本のものづくりを支えています。
Q 福山熱煉工業ではどんなきっかけで、健康経営に取り組み始めたのですか?
⇒・社内で安全衛生委員会の活動が活発になる中、
2020年健康診断をもとに「特定保健指導」対象者の受診率が
一桁に留まったことがきっかけ。数字の低さに愕然。
社員の健康意識を高めようということで、衛生管理者有志数名で社長に直訴。
・社長がすぐにゴーサインを出し、11月に「健康経営宣言」を作成。
健康経営をスタートさせた。
Q 2021年度、まず力を入れた取り組みは?
⇒・健康診断をもとに全従業員へのフィードバック。
産業医面談・特定保健指導・保健師面談・健康教育(ストレッチ)など。
・残業食を、カロリーの摂りすぎにならない健康食品に切り替えた。
Q 取り組みをはじめて、従業員の方の反応はいかがですか?
⇒・残業食については、はじめはラーメンなどを要望する声もあったが、
職場が熱で暑いこともあり、ゼリーが喜ばれるように。
初めは興味がない方もいたが、現在2年間活動してきた印象としては
7:3程の割合で賛同して頂いている認識。
・健康診断の結果に基づき、面談や指導を行う中で実施したアンケートで、
「受けてよかった」「来年もやりたい」と前向きにとらえる社員も。
Q 2年目のことし、福山熱煉工業で一番解決したい健康課題は?
⇒・健康に関する個人の意識改革。
そのために、本年度、全従業員に向けて「体力測定」を実施中。
実施後に希望者にはフィードバック(ストレッチ)を予定。
・「公認心理士」と契約し、メンタルヘルスの強化予定。
Q 健康経営を続けることでの今後の展望は?
⇒「ブライト500」に入れるよう、今後もどんどん新しい取り組みに挑戦して、
どの企業様にも負けない優良法人認定企業を目指したい。