出演:広島大学大学院医系科学研究科 豊島礼子さん
健康経営とは「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」。
Q広島でも健康経営に取り組む企業は増えている?
・全国で4700もの企業が認定を受けているが、そのうち広島県の企業は82法人。※全国17位
首都圏と地方の情報格差は、全国で健康経営を推進する上で大きな課題。
Q豊島さんの印象に残っている取り組みは?
・経営者が初めから「健康経営」という言葉を知っていた例はごく少数だが、その会社の文化
や伝統として従業員の健康増進に投資する取り組みが実施されていたケースあり。
①無糖のコーヒーサーバーを設置していた例
②あえて不便な場所に喫煙所を設置する例 など
Q実際に健康経営を導入した企業でどんな効果が得られている?
①社内への効果
・将来の従業員の病気や持病の重症化の予防に役立つ⇒将来従業員を病気で失うリスクの回避
・従業員の満足度や活力の向上⇒従業員からは「社長が健康経営に本気で取り組む姿を見て、
こちらも本気で定年まで務めなくてはと思った」などの声も。
②社外への効果
・健康経営優良企業法人に認定された企業は公表されるため、良いイメージの宣伝効果も。
・就活生も会社選びの際、健康経営には注目している。
Q経営者の方が健康経営をはじめようと思った場合、まずはどうすればいい?
・「健康経営に取り組む」と社内、社外に向けて宣言する。
・人事総務部門だけでなく、産業保健スタッフや協会けんぽなどの医療保険者、健康経営
アドバイザー等の支援を受けるとスムーズ。
Q最後にラジオをお聴きのみなさんに伝えたいことは?
・職場から健康の意識を変えることで、結果的に職場で身についた健康的な習慣や意識が
家庭内に持ち込まれることになり、生活を共にする家族にまで良い影響を与えるという
好循環が生まれる。この取り組みが広がれば将来的に広島県全体の健康寿命の延伸に
つながるかもしれない。