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タバコ・禁煙のススメ

出演:広島県禁煙支援ネットワーク 運営委員長 川根博司さん

Q, 5月31日は世界禁煙デー。
 ⇒・1988年4月7日にWHO、世界保健機関が発足40周年を記念して制定。
  ・日本では1992年より、厚生労働省でも5/31~6/6までを禁煙週間としている。
   毎年テーマがあり、
   今年は「2020年、受動喫煙のない社会を目指して
         ~たばこの煙から子ども達をまもろう~」
   →WHOの方は「タバコ業界から子供を守る」と訳が違う
    翻訳すると、若者をタバコ業界から守り、タバコやニコチンの使用を防ごう

Q.どうして日本は独自の表現に?
 ⇒・タバコ業界への忖度。たばこ税、税収の面も影響。
   
Q.喫煙の害、タバコは体に悪いと言われていますが、改めて教えてください。
 ⇒・百害あって一利なし。
   喫煙は「防ぎうる病気の原因のうち最大のもの」と言われていて、
   日本でも13万人が喫煙関連の病気で死亡している。

  (代表的なもの)
  ・ニコチンの作用による害(脈拍を増やし血圧をあげる・依存症)
  ・肺がん、口やのどのがん、食道がん、膀胱がんなど様々な「がん」になりやすい
   →喫煙者は非喫煙者にくらべ、男性では4.5倍、女性では2.3倍、
    肺がんで死亡するリスクが高い
  ・呼吸器がおかされる。慢性閉塞性肺疾患(COPD)
    →肺がしだいにこわれていく(肺気腫)ため、呼吸困難となる病気。
  ・他にも、動脈が硬く細くなって、動脈硬化を起こしやすくなる。
   狭心症、心筋梗塞、脳卒中など循環器疾患、糖尿病、重大な病気に。
   胃や十二指腸潰瘍、歯周病になりやすく、
   妊娠中の喫煙は流産、早産、新生児死亡の確率が高い。

Q.新型コロナで喫煙者のリスクは大きいという話もありましたが…
 ⇒①重症化のリスク。喫煙者は肺機能や血管の状態が悪く負担が大きい。
   世界各国のデータ:COPDと喫煙歴が重症化につながる、
       喫煙によって2倍重症化する。人工呼吸器装着、
       もしくは死亡のリスクが3倍に。
  ②タバコの喫煙所が3密。(逆に喫煙所が閉鎖になる場所も増加。)
  ③コロナ感染者が喫煙者の場合、
   吸い殻を捨てることで付着した唾液からの感染の危険。

Q.受動喫煙の害は?
 ⇒・喫煙者のかかる多くの病気がリスクとなりうる。
   受動喫煙のため日本では毎年1万5千人が亡くなっている。

  (代表的なもの)
  ・短時間の受動喫煙でも頭痛、頻脈、皮膚温低下、血圧上昇がおきる。
   慢性的な影響として、肺がん、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳卒中など。
  ・親の喫煙の影響はこどもの命とすこやかな発達をむしばむことに。
   乳幼児突然死症候群は有名、
   気管支炎・肺炎、喘息、中耳炎のリスク、
   こどもたちに受動喫煙させることは虐待行為.
  →世界では子供を受動喫煙から守るための法律や罰則がある。

Q. 日本は世界から禁煙対策は遅れている?
 ⇒・東京オリンピックの開催で、
   世界基準にしないといけないということで頑張っているところも。
  ・今年4月1日から「改正健康増進法」が施行された。
   東京都の受動喫煙防止条例はそれより一歩進んでいる。
  ・地方の取り組みも大事で、
   広島県は「広島県がん対策推進条例」の中にタバコ対策を入れている。

Q.世界的な視点で見た時に日本はどんな立場になっているんですか?
 ⇒・2005年に発効したたばこ規制枠組条約という
   各国が守らないといけない国際条約がある。
   その中で、世界でも稀な、健康保険で禁煙治療できる国が日本。そこは評価。
  ・でも、総合的には最低ランクの評価。日本は禁煙政策が最も遅れた国の1つである。
   →法的な厳しいタバコの規制がないため。
    海外のような罰則を伴う「屋内全面禁煙義務」の法律が必要。



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