出演:独立行政法人 広島産業保健総合支援センター 寺村 清美さん
Q行政の保健師と産業保健分野の保健師。同じ保健師でもどう違う?
⇒国家資格は同じ。
保健師は病気を予防するために保健指導などを行う看護職で予防の専門家。
行政保健師:保健所などで、乳幼児健診や住民健診を担当する保健師。
産業保健師:学校の保健室にいる養護教諭の中の保健師や、企業の診療所で働く保健師。
社員の健康づくりをサポートが仕事。
産業保健師は、保健師全体の1割程度。
Q広島産業保健総合支援センターはどういう機関?
⇒厚生労働省外郭団体管轄下にある独立行政法人。
各都道府県に1か所ずつセンター設置。
企業の健康経営に取り組むお手伝いを無料で提供。
センターは中区基町にある。
県内に9か所の地域窓口があり、働く人のこころとからだの健康づくりをサポート。
保健師の他に、産業医学、両立支援促進員などの専門スタッフを配置。
働く人からの相談は勿論、産業医など産業保健スタッフからの相談を無料で受けている。
Q新型コロナウイルスの感染拡大でセンターに特別な相談などは寄せられた?
⇒一番多かったのが、事業主や人事労務担当者からの相談。
自粛期間中、健康診断実施機関が検針業務をストップしていたため、
法律で実施すべき健診ができない、という相談が多かった。
突然やってきた「自粛」に企業も戸惑っていた。
Q働き方が変わったことで健康にも影響が出てた人も多いのでは?
⇒在宅勤務は、上司や同僚との連絡やコミュニケーションが取りにくくなるだけでなく、
自宅という環境では執務環境や執務時間の確保が難しくストレスと不安が生じた。
生活習慣も変化。
家族とは通常とは異なった時間を共有し、
生活リズム・睡眠リズムが乱れ、運動不足が生じ、
時間の制約がないため、喫煙本数も増え、アルコールも長時間化した。
たくさんのストレス要因が重なり、
自律神経のバランスが崩れて不眠や食欲不振、
気分が落ち込みやすくなる方も増えたのでは。
Q「新しい生活様式」で求められる変化とは?
⇒3密の防止対策をとるために、より在宅勤務やテレワーク化は進み、
日本人の働き方も大きく変化していく。
非効率的な仕事が見直され、仕事の成果がより問われる。
同時に、人がリアルに集まって
さまざまな接点を持つことで生まれるという場所も必要。
会議の方法や、回数の検討や、休憩室や食堂、喫煙場所をどうするか?
利用制限?利用時間の分散?等、企業の実情に応じた対策が必要。
オンラインでのコミュニケーションでストレスが感じやすくなっていく従業員など、
出社しない従業員の健康管理の方法も、企業に新しく求められてくる。
Q企業の「従業員の健康管理」がより大切になってくる?
⇒今回、コロナで重症化した方、死亡された方は、基礎疾患があった方々が主。
今まで労働者の健康づくりは、個人に任せきり。
健康意識は個人の問題とされていたが、
もしこの人しかできない仕事があるとしたら…
従業員から新型コロナウイルスの感染が確認されたら影響は大きい。
健康経営への投資をはじめ、今後ますます、
企業が労働者の健康管理に対する取り組みが注目されると期待。
Q企業が働く人の健康問題に取り組むにあたり、
広島産業保健総合支援センターで受けられるサポートとは?
⇒産業保健関係者に対する専門的な研修を実施。
6月から研修は再開。企業の管理者向けに感染予防の研修会を実施
その他、自粛解禁後の従業員の健康づくりとしてのコロナ対策と題し3テーマを予定。
1回目:メンタルヘルス予防
2回目:パフォーマンスが上がる運動
3回目:生活習慣予防・改善のためのアプローチの方法
会場は、広島会場と福山会場。
第1回目は6月12日の福山会場からスタート。
詳しくはホームページからお申込みを。
その他、個別の問い合わせや相談にも無料で受け付けている。