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健康で気をつけたい減塩。なぜ必要?

出演:一般社団法人ソルコンクラブ 代表 日下美穂先生(日下医院 院長)

Q まず、ずばり減塩。どうして必要?
→塩は生きて行くのに必要だが、それはほんのちょっと。
 とりすぎは身体に毒。
 4300万人が掛かっている日本で一番多い病気の高血圧の原因は塩のとりすぎ。
 高血圧になるとその後、脳卒中から寝たきり、認知症へと続きまた、
 心筋梗塞、腎臓病などにもなっていく。
 胃癌や骨粗鬆症などの病気にも食塩過剰が大きく関わっている。
 つまり、日本人に多い病気の多くに塩が関わっていると言うこと。

Q よく耳にしますが、やっぱり日本人は塩を摂りすぎ?
→WHOは健康な人でも食塩摂取を1日5g未満に、
 アメリカでは3.8g未満にするように推奨しているが、
 日本人の食塩摂取量は平均10g前後で、世界のうちでも最も悪いグループ。
 日本高血圧学会はせめて6g未満と呼びかけているが、とうてい及ばない。
 しかも、日本人は塩を食べると血圧が上がりやすい食塩感受性という体質の人が多く、
 それなのに食塩をたくさん食べていて食塩中毒と言える状態。
 あんなに身体が大きくて食事量も日本人より遙かに多いアメリカ人でさえ、
 平均8.4gです。

Q アメリカはなぜ、そんなに低い?
→味付けに香辛料を多く使っている。塩は以外と少ない。

Q 減塩するとどんなメリットがある?
→減塩すると、人のお世話にならずに自立して生活できる健康寿命の年数が延びる。
 高血圧は痛くも痒くもないが確実に将来、脳卒中や心筋梗塞を起こす。
 最後の十数年を、寝たきりで人に食べさせてもらったりおむつ交換してもらったり、
 認知症になる事を避けるためには、まず減塩が早道。

Q 最近、濃い味や濃い口の食べ物が流行ってたりしますが、この風潮どう思う?
→唐辛子などの香辛料でとってもぴりぴり辛いものがはやったり、塩辛いものがはやったり、
 一種の受け狙いでふざけて面白がっている風潮かも知れない。
 香辛料のピリ辛の辛さは胃腸に負担は掛かるものの、命にそんなに悪くはないが、
 高食塩は確実に血管をむしばんで将来、心筋梗塞や寝たきりや認知症に、
 または胃癌などになるので、命をかけてまで受けを狙う必要はないので避けた方が良い。

Q 日頃の食事で減塩というと、味がしないとか、手間がかかるイメージがあるが?
→味の好みは子どものころからの食習慣で決まるもの。
 日本人が知らず知らず塩をたくさん食べているのも、
 お袋の味として習慣で、それが美味しいと思っているから。
 子どものころからその習慣を根本的に変えるのが一番良い。
 実は呉市では小学校では毎日減塩給食になって、
 若いうちに適塩の味を覚えるようになっている。

Q 子供の反応はどう?
→子どもの受けはいい。実は、子どもの方が味覚が鋭いので、
 味を濃くしなくても食材の味がちゃんと分かるので。
 違和感なく受け入れられている。
 むしろ、大人の方が味覚が鈍い。
 その大人の論理で「減塩にすると不味くて子どもが残すので栄養が摂れなくなる」と
 思い込んで反対する場合が多い。子どもはへっちゃらなのに。
 それに毎年少しずつ減塩していって、「2011年3.14gから2018年2.2gまで減った」。
 みんな気がつかない。懸念された残食もない。

Q 減塩で私たちが美味しく食べるコツは?
→牛乳を使った新しい和食「NEW(乳)和食」がおすすめ。
 牛乳も日本の出しと同じくアミノ酸豊富なので、出汁と考えて、
 既に塩や醤油で調味しただし汁を半分にして、半分牛乳に置き換える方法。
 例えばお味噌汁。1杯で2gの食塩摂取になるが、
 いつものお味噌の量を半分にして半分をプレーンなヨーグルトに置き換えると塩の量も半分、
 でも同じ発酵食品なのでコクがあるからまろやかな美味しいお味噌汁になる。
 ヨーグルトを入れたことは食べた人は気付かない。
 唯一就学前の子供は気づく。まだ味覚が鋭いからで、大人は残念ながら大丈夫。

 他にも
・納豆のタレを半分にして大さじ1杯の牛乳を足すと、ふわふわとろとろに。
 そして、黄色い辛子にも塩が入っているのでやめる。
 辛子に塩が入っているのを知らないでしょう。
 このように私たちは、知らないうちに塩を摂っている。
・煮物も、既に醤油や塩などで調味した調味液を半分にして、半分牛乳に置き換える。
 塩分半分で牛乳はアミノ酸が多く、コクが出る。ダシと同じ。同時にカルシウムも摂れるので
 見栄えはちょっと白いけどおいしい。かぼちゃの煮物とかおすすめ。

Q このコロナ禍で、体に気をつかう状況にもある。
  ちょっとしたことで塩を減らせる。まさにちりも積もれば山ですね?
→with コロナの時代。実は高血圧になる人が増えている。
 災害やコロナの感染拡大などのストレスのあるときには、
 塩分で血圧が上がりやすくなるという日本人の特徴である食塩感受性という体質が
 更に増幅された状態になる。
 加えて、外出自粛などで買い物の機会が減って、
 インスタント、レトルト食品等の保存食などが増えると、
 塩が多く入っているのでいつもより高血圧になりやすい。
 おうち時間がたっぷりあるので乳和食などに取り組んでみてほしい。
 新しい味の世界、楽しい。
 
 また、コロナに感染するのではないかと恐怖を感じて、
 通院している「かかりつけ医」にも行かず薬も飲まなくなると
 更に血圧は上がって脳卒中や心筋梗塞になる事も多い。
 病院へ行きたくなければ、
 かかりつけ医に電話診療をしてもらってお薬をもらう方法もある。
 きちんと治療は続けてください。



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