出演:広島県医師会糖尿病対策推進会議メンバー 伊藤千賀子先生
Q 「世界糖尿病デー」とは?
⇒世界各地で糖尿病の予防・治療・療養を喚起する啓発運動推進を呼びかける日。
毎年11月14日は国連及び主要国で様々なイベン卜が開催され、
なかでも有名な建物がブルーにライトアップされる。
現在、世界の糖尿病人口は2019年には4億6,300万人。
そのうち、全世界の約1/3の糖尿病患者が日本が属するアジア・太平洋地域に集中している。
Q 糖尿病とはどのような病気?
⇒膵臓からは多くの消化酵素と共に
血糖値をコントロール「インスリン」というホルモンが分泌されている。
糖尿病の多くはこのホルモンの分泌が悪いか、
ホルモンの作用が低下することにより起こる。
日本人の糖尿病の90%はこの形。
・原因の多くは悪い生活習慣によって起こる。
また、糖尿病は目、腎臓、大きな血管にも糖尿病合併症を起こす。
Q 日本には糖尿病の人がどのくらいいるのでしょうか?
⇒2016年の厚労省の報告では糖尿病とその予備軍は1000万人ずつと報告されている。
日本では2007年から糖尿病は少しずつ増加しているが、
糖尿病予備軍は10年近くで320万人も減少。
恐らく特定健診や保健指導が功を奏したのではないか。
Q 糖尿病にはどのような治療法がありますか?
⇒糖尿病の基本的な治療は食事療法と運動量法。
この治療を十分しないで、すぐに薬物療法をしても十分な成果は得られない。
食事療法の原則は
①適正なエネルギー量の食事
②栄養のバランスの良い食事
③正しい、規則的な食習慣を守ることが重要となります。
Q 糖尿病を見逃さないためのチェックポイントは?
⇒以下の項目が3項目以上あれば糖尿病や糖尿病予備軍の可能性があります。
早急に検査をお受けください。
1 血糖値が高いといわれたことがある。
2 肥満気味である
3 高血圧と言われた、薬を飲んでいる
4 糖尿病の親、兄弟がいる
5 外食が多い、野菜をあまり食べない
6 余り運動しない。車に乗り機会が多い
7 妊娠時に尿から糖が出たといわれた
Q 糖尿病かもしれない、疑わしい状態であれば早く治療にかかることが大切ですね?
⇒ 糖尿病は予備軍に介入して糖尿病を発症することを抑えることができる。
介入した場合の糖尿病発症率は介入しなかった場合の約60%に抑えることも可能とされている。
発症するまでに時間があるので、早めに治療に取りかかってください。