おひるーなプラス~電子タバコを考える~

出演:広島県禁煙支援ネットワーク 運営委員長 川根博司さん

Q 新型タバコってどんなもの?
➝ 従来からの紙巻きタバコや葉巻、
  パイプタバコなどと違う形態のタバコを新型タバコと呼んでいる。
  新型タバコには電子タバコと加熱式タバコがある。 

Q 電子タバコと加熱式タバコの違いは?
➝ 一般的に、電子タバコとは、煙の代わりに少量の蒸気を吸入する、
  タバコに似せた吸引器を指す。
  初めて発売された電子タバコはシガレットそっくりの形をしていたが、
  その後、吸引器に溶液(リキッド)を入れ、電熱線で加熱し蒸気を吸い込むが、
  溶液にはニコチン、グリセリン、プロピレングリコール、
  果物や菓子の風味の香料(フレーバー)などが含まれる。
  海外ではニコチンが入っているものが普及しているが、
  わが国では法律(以前は薬事法、今は薬機法)上、
  ニコチン入りは販売・譲渡が禁じられている。

Q 加熱式たばことは?
➝ 加熱式タバコはタバコの葉っぱを使用しており、
  紙巻きタバコと同じく「たばこ事業法」という法律上もタバコに分類。
  現在国内喫煙者の30%以上が加熱式タバコを使用しているとみられる。

Q 加熱タバコと紙巻きタバコ、ニコチンは加熱式の方が少ない?
➝ 紙巻きタバコの燃焼温度が500~900℃なのに比べて、
  加熱式タバコはそれよりも低い温度帯(300~350℃)で電気的に加熱して
  エアロゾルを発生させている。
  ニコチンがタバコ葉から主流煙に移行する温度は150℃と報告されており、
  タバコを燃やさなくても加熱するだけで、
  使用者は十分量のニコチンが摂取できることになる。

Q 加熱式タバコ、問題点は?
➝ ニコチン入りリキッドの電子タバコが欧米諸国で流行している一方、
  日本では加熱式タバコが流行。
  現在では4種類の加熱式タバコが販売されており、
  日本はいわば加熱式タバコの実験場となっている。

Q 日本が加熱式たばこの実験場!?
➝ 問題は、多くの人がその有害性について誤解していること。
  500年もの歴史のある従来のタバコに比べ、
  加熱式タバコは発売されてわずか6年くらいしか経っていないが、
  その有害性が最近報告されてきている。
  加熱式タバコも従来からのタバコと同じ化学物質が放出されるとわかっているので、
  当然ながら加熱式タバコも有害だろうと考えるのが普通。
  ただ、煙は出ないで、臭いもわずかな加熱式タバコは、有害性が見えにくくなって、
  レーダーに探知されにくいステルス戦闘機のようであり、
  周囲の人にも予期せぬ悪影響を与える可能性がある。

Q 健康に及ぼす影響は?
➝ 皮肉なことに、加熱式タバコを販売しているタバコ会社自身が、
  健康に良くない、健康に悪いと述べている。
  タバコ製品の広告をよく見ると、
  例えば、「加熱式たばこの煙(蒸気)は、
  子供の健康への悪影響が否定できません。」、
  「加熱式たばこの煙(蒸気)は、発がん性物質や、
   依存性のあるニコチンが含まれるなど、
   あなたの健康への悪影響が否定できません。」、
  「『健康懸念物質約90%オフ』の表現は、
  健康への影響が他製品より小さいことを意味するものではありません」
  と下のほうに小さく書いてある。
  これは将来的に消費者から健康被害の裁判を起こされた場合に備えるためと思われる。

Q『健康懸念物質約90%オフ』なんて書いてるんですね?
➝ ちなみに、タバコの煙には約200種類以上の有害物質が含まれているのに対して、
  謳い文句の「健康懸念物質約90%オフ」とやらも9つの物質を調べただけであり、
  他の成分は減っているのか逆に増えているのかもわからない。

Q では、加熱式タバコで、なにか病気発症の報告はあった?
➝ 紙巻きタバコを吸い始めたばかりの若者などに、
  急な発熱、咳、呼吸困難・息切れを起こし、胸部エックス線写真やCTにおいて、
  肺炎像が認められる「急性好酸球性肺炎」という病気が起こることが、
  20年以上前から知られていた。
  最近、加熱式タバコの使用者にもこの急性好酸球性肺炎の報告例が出たところ。
  重症呼吸不全になると、新型コロナウイルス感染症の治療で有名になった
  エクモ・ECMO(体外式膜型人工肺)が必要になる場合がある。
  それとは違うが、昨年、米国において電子タバコによる重症の肺障害が多発、
  入院や死亡例が多発して大きな問題になりました。
  これは電子タバコに添加されていたビタミンEアセテートが原因物質として濃厚視されている。

Q 紙巻きタバコのように周囲の人への害は?
➝ 紙巻きタバコの煙が周囲の人に受動喫煙の害をもたらすことはよく知られている。
  加熱式タバコの煙(蒸気あるいはエアロゾル)にも同じ有害物質が含まれているので、
  まったく害がない、無害とはいえないでしょう。
  加熱式タバコの歴史は浅いので、本人だけでなく周囲の人への健康影響については、
  これからの研究課題。
  たからといって、エビデンス(科学的根拠)が出るまで待つのは得策とはいえない。

Q 新型コロナの電子タバコ・加熱式タバコ使用者への影響は?
➝ 海外では、喫煙は新型コロナウイルス感染症の悪化と関連するし、
  紙巻きタバコおよび電子タバコを使用する若者は
  新型コロナに感染しやすいことがわかってきた。
  米国からの最近の研究によると、
  電子タバコ使用者は新型コロナウイルス感染症のリスクを
  最大7倍にも高めると報告されている。

Q 最大で7倍とか、大きな数字ですね?
➝ 電子タバコは肺や免疫システムに影響を与えるだけでなく、
  新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスの細胞への侵入を助けるように働く
  可能性が示唆されている。
  喫煙は肺の免疫機能を抑制し、感染症罹患の危険因子であるとともに、
  感染症に罹患した人々の予後 を悪化させる。
  英国における研究で、新型コロナウイルス感染症の場合も、
  現在喫煙者は生涯非喫煙者よりも、79%新型コロナ感染リスクが有意に高いことが明らかにされた。

Q では、加熱式タバコも健康に悪影響があると考えていい?
➝ WHO(世界保健機関)は、加熱式タバコの有害物質排出量が少ないからといって、
  無害であるとか使用者に健康影響がないことを証明するものではないことを改めて強調。
  つまり、いかなるタバコ製品も健康に悪影響があるので、
  若い人たちはたとえ20歳になってもタバコを吸わない選択をしましょう。
  喫煙者は従来のタバコから電子タバコや加熱式タバコに切り替えるのではなく、
  禁煙することが大事。



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