おひるーなプラス~病気の治療と仕事の両立~

出演:独立行政法人 広島産業保健総合支援センター 寺村清美さん

Q 実際に治療と仕事の両立に迫られている人はどのくらいいる?
⇒・日本人の労働者人口約6500万人の約3人に1人が
  何らかの病気を抱えながら働いているとのデータ「国民生活基礎調査」がある
 ・例えば、「がん」の治療を例にとると、手術による治療は短くなり、
  抗ガン治療や放射線治療も外来通院の治療が主体になっている
 ・令和元年10月1日の厚労省健康局が発行した
  「H28年全国がん登録者数・率報告書」では
  仕事を持ちながら治療のため通院しているがん患者は36.5万人。
  男性は50代~60代、女性は40代~50代が多く、まさに「働き盛りの世代」が多い結果。

Q 実際、仕事と治療の両立は、みなさん、うまくいっている?
⇒がん患者を対象としたアンケート調査では「就労意欲がある」と回答した方が92.5%。
 しかし「依願退職した」方が30%、「解雇された」方が4%。
 仕事と治療の両立はまだまだ難しい現状。

Q 企業はどのようにサポート方法を考えるといい?
⇒・病気のことがわからないと、職場でどのように配慮していいのか分からない、
  企業側としても不安だと思う。働く人と、主治医、雇用側との連携が必要。
 ・厚生労働省では「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を明示。
  主治医と企業が情報のやり取りを行う際の参考となるように、
  様式例を示しており、
  ①企業が、対象となる従業員が「どんなところ」で「どんな仕事をしているか」
   ということを細かく書いた「勤務情報」を主治医に提出、
  ②主治医が「就業が継続できるかどうか」
  「業務内容について配慮した方がよいこと」などが具体的に返答できる形。
  こういった様式を用いて主治医と企業が情報交換し、
  働く人の「治療」と「仕事」を支援してほしい

Q そういった細やかな情報を主治医と企業の間でやりとりを行いながら、
  働く人にとって無理なく「治療と仕事」を両立できるよう支援できると、
  働く人も安心ですよね。
⇒・治療内容は主治医に聞くとしても、
  経済的な不安や職場への報告方法の仕方や、仕事は続けられるかなど、
  自分一人では解決できない問題も出てきて、
  インターネット上には体験談や様々な情報があふれて、困惑する
 ・急に大病を患っただけでも大変な状況なのに、
  職場や主治医から必要な情報を収集したり、問題点を整理したり、
  自分にしてほしい配慮事項を考えたり、従業員は、いっぱいいっぱい。
  その時々に応じた適切な対応を行うことは容易ではない。
 ・従業員の状況(気持ち)を理解しながら、
  主治医と企業が連携を取りながら、従業員を支えてほしい

Q 病気のこと、治療のことだけでも不安がいっぱいの中、
  企業が「仕事先を確保」してくれたら従業員にとって安心感は大きい!
  企業にとっても経験のある従業員が残ってくれる点で、メリットは大きいのでは?
⇒・企業側としても、少子高齢化により労働人口の減少が危惧されている現代においては、
  優れた人材はまさに「宝」
 ・その人しかできない特別な技術を有しているベテランの方が、
  仮に病気になっても長く勤めることができると、
  企業にとっても大きなプラスになる
 ・また「社員を大事する」というメッセージの発信にもなり、
  他の従業員のモチベーションを上げることにもつながる

Q 仕事と治療の両立ができるということは、従業員だけでなく、
  長い目で見たときには企業にとってもメリットがあるということ。
  とはいえ、なかなかその支援ができない企業も多い。
  産業保健総合支援センターでは、そういった企業のお手伝いをしてくれる?
⇒・主治医と企業が連携を取りながら、従業員を支えてほしいといっても、
  たしかに病院や企業に書類を出したり、医師とやりとりをしたりってなかなか難しい   
 ・産業保健センターでは、従業員からの申し出を受けて、
  企業や医療機関とのやりとりや職場環境の整備などを行い、
  「治療と仕事の両立」までの一連の流れを支援できるよう、
  企業や医療機関に出向いて相談を受けている
 ・例えば、コロナ前は「在宅ワークなんて絶対できない」
  という雰囲気だった日本社会も、
  今は「当たり前」と変わってきているように、
  最近は、「治療と仕事の両立」に関する新たな制度導入に関しても、
  前向きに考えてくれる企業が増えてきた
  多様な働き方を認めることは、治療と仕事の両立という分野だけでなく、
  健康経営や、ワークライフバランスの推進にもつながる
 ・保健師や社会保険労務士が事業場や病院に出向いて相談対応に応じますので、
  まずは「この制度ってどんなもの?」「なにからはじめたらいいの?」
  からの質問でいいので、是非、当センターへご連絡お待ちしています。


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