おひるーな・プラス~5月病を乗り切る入浴法~

出演:東京都市大学人間科学部 学部長・教授 早坂信哉さん

【以下、質問】
Q 5月病とはどんな症状?
⇒・新しく学校に入学した生徒・学生や新入社員だけでなく、
  4月は異動、引っ越し、転勤など人生にとって大きな変化を迎えた人が多い季節。
  そうした人たちを中心に、5月になると「やる気がでない」「気が重い」
  「登校・出勤したくない」「イライラする」「眠れない」といった状態に陥ることがある。
  これらの体調不良のことをいわゆる「5月病」という。

Q 5月病の原因としてどんなことが考えられる?
⇒・新しい生活に入ると、人は強いストレスを感じる。
  通勤・通学する場所も変わるし、お付き合いする同級生・同僚や先生・上司も変わる。
  当然、勉強や仕事の内容も変わる。これまで慣れていた生活環境が大きく変わると、
  なんでもなかった生活の行動1つ1つに対して緊張を強いられ、ストレスとなる。
 ・ほんの短時間のストレスなら、なんとかやり過ごすこともできるが、
  これが4月から1か月以上も続くと、人によってはだんだん身体やメンタルが疲れてくることがある。
  結果として様々な不調を感じるようになる。

Q 五月病を予防、あるいは状態を改善させるためには、
  どんなことに気を付けたらいい?
⇒・自動的に体の調子を整え、生きていくのに必要な役割を果たしているのが自律神経。
  自律神経は交感神経、副交感神経の2つの神経で成り立っている。
《交感神経》仕事モード、緊急事態への対応の神経。
《副交感神経》休憩モード、リラックスの神経。びっくりするような事態に遭遇した時、
       心臓がドキドキするのは自律神経のうち、交感神経の働きによるもの。
(例)不意に車にぶつかりそうなヒヤリとした体験をすると、体がこわばり、心臓がドキドキする
→自律神経のうちの交感神経の働きによるもの

 ・4月に新しく環境が変わった人は、毎日新しいことの連続で緊張が続き、
  この交感神経がずっと高まっている状態が続いている。
  もともと緊急事態対応のための神経なので、
  この交感神経が長時間にわたって刺激され続いていくと心身ともに疲れていく。
  そのため、5月病の予防や改善には交感神経の過剰な興奮を抑えるようにすることが大切。

Q 交感神経の興奮をなだめるにはどうすればよいのでしょうか?
⇒・自律神経はその名の通り神経自体が自動的に働いている(自律している)ので、
  私たちの意志でコントロールするのは容易ではない。
  自律神経をコントロールする方法として呼吸法などいろいろな方法がありますが、
  それなりに訓練やコツが要るもの。
 ・お風呂は、実は、自律神経をコントロールできる身近で強力なツール。

Q どんなことに気を付けて入浴すればいいのでしょう?
⇒①湯温を38-40℃のぬる湯にする
 ②肩まで浸かる全身浴
 ③湯に浸かる時間は10~15分    これだけ!

・お風呂は湯の温度を変えるだけで自律神経に対する働きが大きく変わる。
 38-40℃までのぬる湯はその温熱効果で、
 交感神経の働きを弱め副交感神経の働きを強くする。つまりリラックスする。
(※逆に42℃以上の熱い湯は交感神経の働きを強くする。)

・浮力によるリラックス効果を考えると半身浴より全身浴がいいでしょう
(※ただし、医師から入浴を制限されている方を除く)。

Q そのほかにもおすすめの方法がありますか?
⇒・マインドフロネス(お風呂で簡単な瞑想を行う)もおすすめ!
※マインドフロネス=マインドフルネスのお風呂をくっつけた早坂先生の造語。
 ぬるめのお風呂に入って目を閉じて腹式呼吸 3秒鼻から吸い込み、
 5秒かけて口から吐き出すのを20回繰り返す。
 呼吸に意識を集中して何も考えないようにする。

Q これから暑くなるにつれて、シャワーだけで済ませる方も増えてくるかも・・・
  湯船に入るだけでいいこともたくさんあるんですね。
⇒・熱中症予防には暑くなる2週間ほど、
  40℃10分 汗をかくまで入浴を意識すると暑熱順化といって、
  暑さに対して汗をかきやすくなり、熱中症の予防になる。
 ・自宅にバスタブが無い人は週末だけでも近くの銭湯などに入るのも構わない。
  広い湯船はよりリラックスできるという研究結果もある。

Q 最後に、もっと入浴について知りたいという方におすすめのものがあれば教えてください。
⇒6月中旬に「山と渓谷社」からお風呂に関する新刊が出版予定。


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