株式会社フレスタホールディングス 執行役員
グループ管理本部 本部長・渡辺 裕治さん
Q 健康経営に力をいれるきっかけになる出来事とは?
⇒定年間際の人が病気になって後遺症が残ったケースがあった。
余生は長いので元気に過ごしてほしいという思いがあった。
スーパーとしてみても、従業員に元気がないと鮮度感も出ない。
Q フレスタでは「健康」をコンセプトに、様々な取り組みを行われている。
中でも禁煙対策には力を入れておられるそうですが?
⇒禁煙といっても完全にやめなさいという指示をしているわけではない。
食品に鮮度感がよくなるように、元気がでるように、
勤務時間はやめようということで組合と話し合いを持ち、取り組んだ。
Q 喫煙者の従業員から反発などなかった?
⇒3割程度喫煙者がいた。
当時は喫煙の場がコミュニケーションや
休憩の場になっていたのは事実。
一筋縄ではいかなかったが、健康経営は会社でやるものということで納得してもらった。
Q どうやって説得?
⇒喫煙者の従業員が売り場を通ると、
タバコを吸わない人にとっては匂いが気になるもの。
また、喫煙者が休憩に頻繁に入るので不公平感もあった。
そこで、出勤中はやめようということになった。
Q 従業員に禁煙に踏み切ってもらうサポートもしていたということですが?
⇒禁煙する大変さは、かつて自分も喫煙者だったので、
自分自身も身をもって感じたことがある。
禁煙外来・ニコチンガム・ニコチンパッチを予約・購入、
半年以内に禁煙したら一部を会社が補助。
Q 女性の従業員の方の健康についても取り組みもされているということですが?
⇒女性従業員が7~8割。
働き盛りの30代から乳がんなどになることも。
女性のみ人間ドック健診を35歳からに前倒し。
ピンクリボンアドバイザー制度も。
女性の生理的に起こることを医師に講習してもらい、管理職が理解する取組も。
理解することで、結果的に関係性もよくなる。
今期からは「みんなが、スマイルプロジェクト」を立ち上げ、
部長職から新入社員までメンバーに入り、
誰でもが働きやすい環境を従業員時自身が考える取り組みをしている。
Q 健康経営に取り組んで、感じられる変化は?
⇒すぐには結果が出ないが、
採用面で、フレスタが健康経営をやっているから入社したい
という学生が増えた。
結果としてお店が続き、周りの人の健康寿命が延びれば
やっている意味があると感じている。
Q 今後、フレスタの健康経営で力を入れていきたいことは?
⇒フレスタのもうひとつのコンセプトは
「健康的なまちづくり(=フレスタウン)」。
病院やジムなど、健康づくりにつながる専門家と市民をつなぎ、
さらに街を健康にする取り組みを進めていきたい。
その結果として、フレスタを人が集う場所にしていきたい。
Q最後に、健康経営を続けるうえで大切なことは?
⇒健康はすべてのベース。従業員にまずはそう思ってほしい。
健康であることはずっと続けられること。
今後も継続的に町の人が元気で健康でいられる取り組みを続けていきたい。