出演:楠原壜罐詰工業株式会社 楠原千津恵さん
Q 楠原壜罐詰工業はどんな会社?
⇒・今年11月で創業125周年。
・創業時は漬物・佃煮、その後みかんやピオーネなど
フルーツの缶詰や海の牡蠣オイスターの缶詰、
そして現在は「おーいお茶」「タリーズコーヒー」など
お茶やコーヒーなど缶入りの清涼飲料水をメインに、
安芸高田吉田町の工場で製造。
・従業員スタッフ46名
一致団結して「安心、安全な製品を安定して供給できる工場」を目指している。
Q 楠原壜罐詰工業が健康経営に取り組まれたきっかけは?
⇒・2017年「みんながハッピーになるための改革!」を
スローガンにスタートした働き方改革。
翌年「広島県働き方改革実践企業」にも認定。
取り組みを通じて「宝である社員の健康増進に取り組み、
皆が健康で良いパフォーマンスを発揮することが
工場の生産性の向上、更には会社の発展につながると考え
健康経営をスタートさせた。
Q 健康経営を始められてから5年、
これまでの取り組みが認められたそうですね。
⇒・2020年から3年連続
「健康経営優良法人」(中小企業部門)認定法人に認定を頂いた。
・今年の3月 広島県より第2回「健康経営優良企業」として表彰された。
Q 楠原壜罐詰工業ではどのような健康経営の取り組みをされていますか?
⇒まずは「健康経営」という言葉を難しく取らえるのではなく、
社員の声をきき、できることから始め継続することにした。
1つは、毎年行う健康診断を見直した。
オプション検査がプラスできる医療機関へ変更しました。
バリウムを嫌って胃がん検査を受けない社員の方がいたことから、
胃がん検診時の胃カメラ追加費用を会社で全額負担した。
更には子宮がん検査・前立腺がん検査・乳がん検査費用についても
会社が全額費用負担してがん検診を推進した。
また二次健診の際に特別休暇を付与するなど再検診も積極的にサポート。
Q 食生活の改善に向けた取り組みもされているそうですね。
⇒健康を意識した商品をラインナップした自動販売機を社内に設置した。
一日分のビタミンや鉄分をおいしく摂取できる
栄養機能食品や脂肪の吸収を抑える特定保健用食品などが
ラインナップされている。
また年に一度、社員の皆様のご家庭へも健康に配慮した飲料をお届けし、
食生活改善の意識向上に繋げている。
Q 感染症対策は?
⇒インフルエンザ予防接種の費用を全額負担し接種を推進している。
感染症というのは会社はもちろん各ご家庭でも対策をお願いしなければなりません。
そこで「家族みんなで感染症対策」として
毎年1回従業員の各家庭にマスクと消毒液を配付を続けている。
以前より感染症対策を行っていたので、
コロナ感染症拡大当初 店頭からマスクがなくなった時期も
社員の皆さんの各家庭にマスクや消毒薬が常備されており
慌てることなく感染対策を行うことができた。
Q 勉強にも取り組まれているとか?
⇒メンタルヘルス検定や,健康経営アドバイザーの資格の取得に励み,
安心して相談していただける窓口の強化をはかっている。
Q 健康経営に取り組み始めて、変化や従業員の方の反応はいかがですか?
⇒・健康診断受診率は100%を継続。
再検査が必要な際も特別休暇が使えるので安心との声をいただいている。
・胃がん検診受診率は胃カメラ費用の全額会社負担を始めた前と
今回を比較すると約30%受診率が向上。
バリウムが苦手で受診を拒んでいた方たちが皆さん受診してくれた。
・乳がん・子宮がん・前立腺がんの検査については受診率100%を達成。
Q 検診は病気の早期発見にもつながりますね。
⇒実は昨年の健康診断で弊社社長に初期の食道がんがみつかった。
胃カメラ検査のおかげ。
初期のがんであったので幸運なことに内視鏡による手術で
身体に負担なく無事に根治しました。
コロナだからと健康診断をお休みするのではなく、
続けて行うことでがんを早期発見することができた。
会社で胃カメラ検査を推奨して本当によかった。
Q 健康経営を始めて、仕事にもいい影響があったと伺いましたが?
⇒工場稼働率は健康経営を始めた
2017年84.3%でしたが昨年2021年が90.6%と着実にアップ。
今年91.5%を目標に掲げています。
Q 今後、どんな展望をもっていらっしゃいますか?
⇒今後も引き続き社員ひとりひとりが、
イキイキと働き自己成長できるように、
そして、「やりがい」 と 「生きがい」 を感じ、
充実した毎日をすごし、心身ともに健康になり、
会社も社員もハッピーになる職場を目指します。