おひるーなプラス~歯を健康に保つための生活習慣~

出演:広島県歯科医師会 福井康人先生

Q 歯の健康と生活習慣が大きくかかわっているとはどういうこと?
⇒むし歯や歯周病のかかりやすさは、
 歯や唾液の質といった、人それぞれの個性や遺伝的な要素もあるが、
 それよりも食生活や生活習慣が大きく影響。
 生活習慣を改善することで予防が可能。
 歯磨きも生活習慣の一部なので、
 むし歯がよくできる、歯ブラシをかけると出血することがあるような方は、
 歯磨きの方法やタイミングなど、歯磨き自体を見直して頂く必要がある。

Q 歯を悪くしてしまう生活習慣にはどんなものがある?
⇒歯磨きをせずに寝てしまう、タバコを吸う、
 酸っぱいものや炭酸飲料をよく飲む、間食が多い、
 口呼吸をしている、などが挙げられる。
 また痛みが出ないと歯科医院に受診しない、
 つまり定期的に歯科医院受診する習慣がないというのも
 歯を悪くする要因かも。

Q 食生活についてはどんなことに気を付ければいい?
⇒お口の中では食事をするたびにむし歯菌が歯を溶かす酸を作る。
 むし歯菌が作った酸は唾液の作用によって中和されるが、
 中和には30分程度時間がかかる。
 間食が多かったり、頻繁にジュースなどを口にすると
 お口の中が酸性に傾いてしまうので、むし歯ができやすくなる。
 規則正しい食事を心掛けていただき、間食は控えめにして、
 ジュースなどの糖分が入った飲み物を
 ダラダラと時間をかけて飲まないようにしてください。

Q ジュースの飲み方にも注意が必要?
⇒寝ている間はほとんど唾液がでないため、
 寝る前に食べたり、ジュースを飲んだりするとむし歯のリスクは非常に高くなる。
 スポーツドリンクにも糖分がたくさん含まれており、
 500mlのペットボトルで角砂糖約30個分程度と言われている。
 運動中はあまり唾液が出ませんので、寝ている間と同じような状況となる。
 スポーツドリンクは水分補給に非常に効果がありますが、
 むし歯のリスクは高まるので、
 スポーツドリンクを飲んだ後に水やお茶を飲んでいただいたり、
 うがいをしてもらうといい。

Q たばこと歯の健康にはどんなかかわりがある?
⇒タバコの成分は、口の中に入ると粘膜や歯ぐきから吸収される。
 吸収されたタバコの有害物質によって、歯ぐきの血管が収縮して血液循環が悪化し、
 歯ぐきに十分な酸素がいきわたらなくなる。
 歯周ポケットの中にひそむ歯周病菌のほとんどが酸素が苦手という特徴がある。
 つまりタバコによって血液循環が悪化した歯周ポケットは
 酸素が少ないので歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなり、
 歯周病が進行する。
 また、歯の表面に付着する「ヤニ」によって歯にばい菌が付着しやすくなるので
 むし歯や歯周病のリスクが高くなる。

Q そのほかの生活習慣ではどんなことに気を付ければよい?
⇒口呼吸をしない、ストレスをためすぎない 
 マスク生活が長くなり、口呼吸をされている方が増えたような気がする。
 口呼吸をするとお口の中が乾燥してしまうので、
 唾液の作用(消化作用、潤滑作用、味覚作用、自浄作用、
 抗菌作用、再石灰化作用、緩衝作用)が弱くなり、
 歯周病やむし歯になりやすくなる。
 また、ストレスがたまるとそれに耐えようとして、顎に力が入り、
 無意識に歯ぎしりや食いしばりを行うことがある。
 歯ぎしり、食いしばりは顎や歯に大きな負担をかけるので、
 歯の痛みや顎の痛みにつながることがある。

Q 歯を磨く上でのポイントは?
⇒患者さんによってお口の中の環境が違いますし、
 歯磨きの技術も違うので適切な回数、時間は人それぞれとしか言いようがない。
 しかし、皆さんにお伝えしたいのは、まずは磨き残しなく
 歯ブラシをかけていただきたいということと、
 歯を1本1本磨くつもりで丁寧に歯ブラシを動かしていただきたいということ。
 磨き残しなく歯ブラシをかけていただくこつとしては、
 歯を磨く順番(スタートとゴール)を決めていただけば磨き残しがなくなる。
 丁寧に歯ブラシを動かしていただくこつとしては、
 歯ブラシをごしごし大きなストロークで動かさずに
 細かく動かしていただくこと、
 また、汚れが残りやすい、歯と歯茎の境目、奥歯の溝、
 歯と歯の間は特に注意してブラシをかける必要がある。

Q 糸ようじなども使った方がいい?
⇒歯ブラシで頑張って磨いても汚れの除去率は60~70%程度と言われている。
 特に歯と歯の間には汚れが残るので、
 糸ようじ(フロス)や歯間ブラシのような
 補助器具を併用していただくことをお勧めします。

Q 歯科医院への定期的な受診も欠かせませんね?
⇒皆さんご存じの通り、むし歯は初期の段階で治療することが出来れば
 簡単な処置で終わることができる。
 歯周病の原因となる歯垢は日常の口腔ケアのみでは
 すべてを取り除くことは困難で、
 残った歯垢が歯石となって歯にこびりついてしまう。
 歯石は歯ブラシでは除去できませんので、
 定期的に歯科医院で除去する必要がある。
 むし歯の早期発見や歯周病の予防のためにも
 定期的な歯科医院の受診をお願いいたします。

Q 体の健康を守るためにも、まずご自身のお口の中について、
 注意を向けていただきたいですね。
⇒日本歯科医師会では11月8日を「いい歯の日」として
 この日に合わせて様々な歯科保健啓発活動を行っている。
 歯周病は全身の病気にも関連していることが分かってきており、
 健康寿命を延ばすためにはお口の中を健康に保っていただくことが非常に大切。
 「いい歯の日」を機会に是非一度ご自身のお口の中の状況を見直していただけたらと思います。


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