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おひるーなプラス!~禁煙・卒煙のすすめ~

出演:広島県禁煙支援ネットワーク 運営委員長
   日本赤十字広島看護大学名誉教授 川根 博司先生


Q 今年の世界禁煙デーは、どんなテーマなんですか?
⇒「We need food, not tobacco(何よりも欲しい物、それはタバコでなく、食べ物です)」。
つまり、今年WHOはタバコの代わりに持続可能な食用作物の栽培に重点を置いている。
G7広島サミットでも食料危機・食糧問題への対応が議題に。

Q タバコの健康への影響は様々。改めてどんな害があるのか、代表的なものを教えてください。
⇒ ・ニコチンの作用による害(脈拍を増やし血圧をあげる・依存症)
  ・肺がん、口やのどのがん、食道がん、膀胱がんなど様々な「がん」になりやすい
→喫煙者は非喫煙者にくらべ、男性では4.5倍、女性では2.3倍、肺がんで死亡するリスクが高い
   ・呼吸器がおかされる。慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  →肺がしだいにこわれていく(肺気腫)ため、呼吸困難となる病気。など
  「百害あって一利なし」

Q 加熱式の新型タバコを吸う方も見かけますが、こちらの害についてはいかがですか?
⇒加熱式タバコは紙巻きたばこよりも低い温度帯で、電気的に加熱してエアロゾルを発生させている。
 こちらも従来のタバコと同じ化学物質が放出されることがわかっている。
 また、発売からおよそ10年?ですでに有害性も報告されている。
 加熱式タバコの歴史は浅いため、これからどんな健康影響がでるのか、わかっていないことも大きい。

Q 一言で禁煙、卒煙といっても、難しいのが現状。禁煙するためにどんな方法がありますか?
⇒大きく分けて2種類。①行動療法、②薬物療法
行動療法には「保健指導法」と「吸いたい気持ちのコントロール法」がある。
卒煙を考えている方にはぜひ「吸いたい気持ちのコントロール法」を知ってほしい。

Q 「吸いたい気持ちのコントロール法」とは、具体的にどんな方法なんですか?
⇒3つの方法が挙げられる。
①行動パターン変更法:
禁煙と結びついている生活行動パターンを変更して、喫煙の要求をコントロールする方法。
(例:洗顔・歯磨き・朝食など朝の行動の順序を変える、食後早めに席を立つ、珈琲やアルコールを控えるなど)

 ②環境改善法:喫煙のきっかけとなる環境を改善し、喫煙の要求をコントロールする方法
 (例:喫煙具を処分する、タバコが吸いたくなる場所を避ける、喫煙者に近づかない など)

 ③代償行動法:喫煙の代わりにほかの行動を実行し、喫煙の欲求をコントロールする方法。
 (例:深呼吸をする、水やお茶を飲み。軽い運動をする、当分の少ないガムや干昆布などをかむなど)

Q 川根先生考案、自分でできる禁煙法があるそうですね。
⇒「さ」行のセルフヘルプ(喫煙欲求をコントロールする「さしすせそ」)。
さ: 吸わずに数分間ほど先送りする
し: 吸いたくなったら深呼吸する
す: タバコを吸う代わりに水分摂取(水を飲む)
せ: 背伸び(ストレッチ)をする
そ: そのほかに何かする

Q 禁煙のおくすりもあるんですよね?
⇒張り薬のニコチンパッチと飲み薬のバレニクリンが使えて、健康保険も適用されている。
 一般医療用医薬品として、ニコチンガムとニコチンパッチが薬局で市販されている。
 禁煙補助薬を利用することで、自力の禁煙に比べて禁煙しやすくなる報告もある。

Q 禁煙を考えたら、専門のお医者様の力を借りるというのも大切ですよね?
⇒やめたい人を支援する「禁煙外来」の活用を!保険診療も可能!
 本人がやめるという意思が大切。意志が弱いは関係ない。
 やめる気にもっていくのが大事。何歳でも「やめ時は今」。
 まわりの支援が大切。やめることを理解することが必要。



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