出演:広島県環境保健協会 健康科学センター健康支援課長
松本玲子さん
Q 環保協(かんほきょう)はどんな機関ですか?
⇒「みんなの生命(いのち)をまもりつづけたい。」を基本理念に、
公益活動を行う「地域活動支援センター・脱温暖化センターひろしま」、
事業活動を行っている「健康科学センター」「環境生活センター」を軸に、
その各センターを支える「事務局・経営管理センター」で組織。
Q それぞれのセンターでは、どんな事業を行っている?
⇒・「地域活動支援センター・脱温暖化センターひろしま」:
地域住民の「環境」と「健康」を守るために組織された
「市町公衆衛生推進協議会」とともに活動を行う。
・「健康科学センター」:
「健康クリニック」という診療所で、人間ドックや健康診断、
保健指導、外来診療、そして健康経営支援を行う。
・「環境生活センター」:
飲料水や食品、環境保全などに関わる広範囲にわたって、検査・分析を行う。
各種コンサルタント事業も展開し、自治体や企業、
住民が抱える課題解決のための支援を行う。
Q 「かんほきょう」では、自らも健康経営に取り組まれているんですよね?
⇒・健康経営を支援するにあたり、自らがまず取り組むべきとの考えから実施。
健康経営優良法人の大規模法人部門で2019年から4年認定。
Q 今年度、「かんほきょう」で重点的に取り組まれているのはどんなこと?
⇒・脂質異常症の割合が高いため、「脂質異常を中心とした生活習慣病予防施策」
・職員の約半数が女性のため、「女性特有の健康課題への取り組み」
Q 具体的には、それぞれどんな取り組みをされている?
⇒・「脂質異常」:安全衛生委員会で衛生管理者の保健師がミニ健康講座や、
オフィスグリコの成分表示の掲示などでヘルスリテラシーの向上を図る。
改善のための運動施策として、
「職場でできる簡単ストレッチ体操」ミニセミナー、
ちょいトレとしてデスクワークでできる筋肉トレーニングなどの
情報提供などを合わせて企画。
・「女性特有の健康課題への取り組み」:
今年度は骨粗しょう症予防を目的に、検査と講座を組み合わせたセミナーを予定。
Q 「かんほきょう」の「健康経営支援」はどんなところが強み?
⇒健康クリニックは医師や保健師、管理栄養士などの医療職、
健康経営アドバイザーや健康経営エキスパートアドバイザーなど
専門スタッフがそろう。
長年にわたり、健康診断や保健指導などを通じて蓄積したデータ、
知識、技術を活用して比較・分析を行い、健康課題を明確にした上で、
課題解決のための改善提案、そして実践のサポートといった健康経営支援が可能。
Q 具体的には、どんな支援をされている?
⇒健康クリニック独自のサポートで、企業の健康度を測る指標の一つのツール
「企業健康れぽーと」を作成。
健康クリニックで受診された年間約5万人分のデータと比較でき、
企業の健康状態がどのような状況であるのかを把握できる。
5年間の経年データがあるので、傾向を見える化できる。
Q 「企業健康れぽーと」が、企業ごとに作ってもらえるんですか?
⇒支所ごとに作ってほしい、少数の従業員だが作れないか、等の依頼にも対応。
健康クリニックで健診を受けていない企業は、
健診データなどいただければ同様に作成可能。
Q 企業の悩みなどを個別にヒアリングして、企業にあった提案をするということ?
⇒整理・分析を基に、企業の健康課題の抽出と
その課題解決に向けての取り組み提案をオーダーメイドで行う。
Q 提案を実現するために、その後のサポートもしてもらえる?
⇒・「健康診断事後措置案」等の作成をお手伝いしたり、
保健師を派遣して個別の保健指導や健康セミナーの実施など
従業員様に対する直接的な支援を行う。
・その他、定期的に健康情報や、管理栄養士による健康レシピの提供。
健康レシピの内容は、企業の健康課題としてあがったものを改善できるものを中心に。
・健康経営優良法人認定へのサポートも実施。
Q 今後は、どんな支援を考えている?
⇒・睡眠への対策事業。メンタルヘルスの観点からも睡眠の重要性なので、
良好な睡眠へのアドバイスのみでなく、
睡眠時無呼吸症候群や睡眠の質を調べる検査も含めた支援を検討。
・生活習慣病予防に、お口や歯の健康の重要性もわかっている。
オーラルケアの支援も今後検討。
Q 健康経営が気になる、あるいは支援してほしいという企業の方は
ぜひ相談していただきたい。
⇒・健康経営を推進する事は、従業員を健康にし、企業を元気にし、
ひいては広島県民の健康づくりにつながっていく。
健康クリニックでは古くから予防医学に取り組んでいて、
みなさまから生涯にわたって信頼されるパートナーとなれることを目指す。
インターネットで平仮名で「かんほきょう」と検索を。