出演 :広島市南区の放射線診断科の医療機関
「霞クリニック」 島村泰輝 医師
Q これから寒い季節になると脳卒中になる方が増える?
⇒ 寒くなると、体温調節のため体の血管が収縮する。
その状態が続くと、動脈硬化が進んで血管が詰まりやすくなり、
脳卒中の危険性が高くなる。
Q 脳卒中って大変な病気・・・
⇒ 脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞や、破れる脳出血やくも膜下出血などがある。
どれも生命を一瞬で奪ったり、重い後遺症をもたらしたりする、とても怖い病気。
Q 中でも、寒い時期は脳動脈瘤破裂が増えるというのは本当?
⇒ 脳動脈瘤と言われる血管のふくらみが、ある日突然破裂することによって起こる。
くも膜下出血のほとんどが脳動脈瘤破裂によるもの。
Q 脳卒中にならないためにはどんなことを心がけたらよい?
⇒ 生活習慣を整えるのが大切。
食事と運動で肥満を防ぎ、アルコールは適正量を守ること、そして禁煙は大切!
Q 自分では気を付けているつもりでも、
気づかないうちに症状が進んでいるということもありますよね。
⇒「発症を防ぐための予防」がとても重要。
そのためには、「脳ドック」の受診をお勧めしている。
「脳ドック」とは、その名の通り、脳を詳しく検査するもの。
一般的な「人間ドック」では主に首から下を診断するので、
頭部に関しては、ほとんど検査していない。
そのため、脳の病気を見つけることは難しいのです。
Q 「脳ドック」を受診すると何が分かる?
⇒ 自覚症状のない脳梗塞をはじめ、破裂する前の動脈瘤や脳腫瘍など、
さまざまな脳の病気が潜んでいないかを調べる。
もし、なんらかの異常が発見された場合でも、
すぐに進行や悪化する恐れのないものが多く、
食事や運動などの生活習慣の改善を行えば、
特に処置をしなくても病気の発症を回避することができるものも少なくない。
Q 一般的な「脳ドック」はどのくらいの時間がかかる?
⇒ 全部で約45分程度です。
最初に、MRIは金属があるとくっついてしまうので検査用の服に着替えてもらう。
次に機械の中に入ってもらい、検査そのものは30分程度かかる。
終わったら自分の服に着替えて、お会計をして終了。
Q 一般的に、脳ドックはどのくらいの費用がかかる?
⇒相場は2~5万円。自由診療のため保険はきかない。
Q どんな方に受診していただきたい?
⇒高血圧や糖尿病、肥満、あるいはご家族に脳卒中になった方がいらっしゃる方など、
40才を過ぎたらぜひ一度脳ドックを受診してみてください。
Q 脳ドックを受診することは、脳の病気の予防と早期発見という意味で有効?
⇒脳卒中は、「発症してから」の治療では手遅れになる場合が多い。
脳ドックを受診することで、自分自身が将来的にも脳卒中にならないかどうか、
また、予防していくきっかけをつくることができる。
Q どのくらいの頻度で受診すればよい?
⇒検診なので何回やってもらってもいいが、
費用対効果を考えると年に1回の程度で十分。
年ごとに自身の画像が溜まっていくことでなにかトラブルが発生したときに
何時の時点から発生しているのかがわかるという点でもおすすめ。
Q 最後に、脳ドックを受けてみたいという方は、どうしたらいいでしょうか?
⇒県内にも受診できる病院がいろいろあります。
ぜひお近くの専門医がいる病院を探してみてください。
くも膜下出血の家族歴があるから脳動脈瘤が心配というような方にお勧め。