静岡県立大学食品栄養環境科学研究院 茶学総合研究センター
特任教授 中村順行さん
Q 八十八夜のこの時期のお茶は特別?
⇒・今年は閏年だったため八十八夜は5月1日。
・昔から末広がりの『八』が重なる八十八は縁起が良いとされている。
この時にいただく新茶は特に効果効能が豊かで1年無病息災で過ごせる、
という言い伝えもある。
Q 新茶の特徴は?ふつうのお茶と何が違う?
⇒・日本でお茶が収穫される時期は八十八夜前後の一番茶に始まり、
夏場の二番茶、三番茶、秋の秋冬番茶に大きく分かれる。
・一番茶は冬の間にじっくりと養分を蓄え、
一斉に芽吹いた新芽が収穫されるため、
まさしく樹木の精をいただくことになる。
成分的にも、うま味成分であるアミノ酸類。
特に他の植物には見られないテアニンも多く、旨味の強いお茶になる。
Q 新茶(お茶)で期待できる効果は?
⇒・新茶にはテアニンの他にも健康機能力が強いカテキン類も多く含まれている。
しかし、やはり新茶には新緑の香りとホッとする爽やかな味を期待したいもの。
・ホッとする効果は新茶に多いテアニンの効果であり、
ストレスの軽減のみならずリラックス効果も得られ、
脳・神経機能調節にも繋がる。
Q 新茶の美味しい入れ方は?
⇒新茶は、渋みや苦みに対し、旨みが強く、
若葉のようなさわやかな香りを愉しむ淹れ方がおすすめ。
新茶をいつもより少し多めに急須に入れ(3~4g)、
一度沸騰したお湯を70~80℃まで冷ます。
お湯の温度が十分下がったら、180~200mlを静かに急須を注ぎ、
そのままじっと動かさずに1分程度待ち、
急須のなかの葉が開いたらゆっくりと茶碗に最後の一滴まで注ぐ。
Q 茶殻はいろんな活用法があると聞くが、茶葉は食べられる?
おすすめの調理法があれば教えてください。
⇒・新茶を淹れた後の茶殻には、お湯に溶けない食物繊維、
βカロテン、ビタミンEや溶け出しきらなかったカテキン類など
多くの機能性成分が含まれている。
・新茶ならではの醍醐味として茶を淹れた後の茶葉(茶殻)に
ポン酢や醤油をかけて食べてみるのがお勧め。
・パスタに野菜代わりの彩に使うとか、
少し細かくしてジェノベーゼ風にしてソースとして使うのも良い。