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つらいこむら返り。いったい何者?


ゲスト

県立広島病院 整形外科主任部長
松尾俊宏先生

内容

Q こむら返りは季節も関係する?
⇒・関係する。こむら返りが良く起こるのは、夏と冬。
  汗をかきやすい夏は寝ている間にこむら返りが起きやすい。
  汗をかくことで、電解質バランスが崩れがちになるため。
  またエアコンによる冷えからくる血行不良も影響。
 (冬も起こりやすい)

Q どういう方がこむら返りしやすい?
⇒・中高年の方、妊婦さん、冷え性、足がむくみやすい人に起こりやすい。
  また、運動不足や偏食、水分をあまりとらない、
  座りっぱなしや立ちっぱなしの時間が長い方も起こりやすいとされる。
  さらに、運動を長時間続けて疲れているときや
  ウォーミングアップが不足しているとき、
  体力が落ちているときにも起こりやすい。

Q 中高年や妊婦さん。確かに妊娠中もけっこうありましたし、
  年齢が上がると増えるというのも聞いたことがあります。
⇒・年齢があがるごとに発生頻度は高くなる。
  50歳以上では誰もが1度は経験し、
  60歳以上になると頻回にこむら返りになる人も。

Q 「こむら返り」とは、そもそもどういう状態なんですか?
⇒・「こむら」とは俗にふくらはぎと呼ばれる部分の古語。
  ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋肉の伸縮バランスが崩れて、
  異常な収縮を起こした状態がこむら返り。
  自分の意志で動かしている筋肉が、なんらかの理由で突然けいれんを起こして、
  収縮されたままロックされ痛みを伴ったまま動かせなくなる。

Q 原因は何?
⇒・よくわかっていない面も。
  脳から発信された信号が背骨の神経を通り、
  ふくらはぎに行く神経に伝わって収縮運動を起こすのが通常のメカニズム。
  ですが、信号がふくらはぎ内の一部の筋肉にしか伝わらず、
  その筋肉のみが過度に収縮するのが原因ではと言われる。
 ・頻回にこむら返りを繰り返す場合は、腰の病気(腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア)、
  糖尿病、閉そく性動脈硬化症、下肢静脈瘤、腎不全などの病気が
  隠れていることもあるので注意が必要。

Q こむら返りた時はどう対処したら良い?
⇒・ゆっくり膝裏を伸ばして。
  サッカー選手が試合中に足首をまげて伸ばしているのを
  見ることがあると思います。
  こむら返りが起きた方の足をのばして座り、片手でつま先をつかみ、
  息を吐きながらゆっくり少しづつ足先を手前にひっぱってふくらはぎをのばす。
 ・それでも治まらない時は、足首から膝裏まで優しくさすってマッサージ。
  ホットタオルなどで温めても。冷やすのはダメ!
 ・また「芍薬甘草湯」という漢方薬は、
  こむら返りが起こったときに飲むと痛みを和らげる効果が。
  ただし、高血圧や腎臓病のある方、妊婦の方は、医師に相談してください。

Q 起こりにくくするための予防法はありますか?
⇒・運動を行う前にはストレッチなど準備運動を。
 ・普段から水分をよくとる。
  特に運動時や汗をかいたときに水分補給や塩分補給を行う。
 ・アルコールの飲みすぎも利尿作用で脱水気味になることがあるので注意。
 ・日頃から、マッサージやストレッチを定期的に行う。
  ウォーキングなどの運動を習慣をつけて筋肉を維持する。
 ・食事でバランスよくミネラルをとる。   など



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