広島市医師会 常任理事
大下孝史先生
Q 子宮頸がんはどんな病気?
⇒子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんのことで、
そのほとんどは、性交渉によって感染する、
ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因であることが分かっている。
Q 若い女性にも多い病気?
⇒子宮頸がんとその前段階の上皮内がんまで含めると、
およそ4割が20~30代と若い女性に多く、若年化が進んできている。
一方で晩婚化が進んできている日本では、
発症年齢のピークが女性の出産年齢と重なってしまい、
妊娠への影響も重大な問題となっている。
Q 子宮頸がんの症状は?
⇒生理以外の出血、いわゆる不正出血、性行時の出血、
帯下の匂いが気になるなどの症状が出るが、
前がん状態や初期がんでは自覚症状がないことが多い。
Q 子宮頸がんの治療法は?
⇒がんの進行具合(ステージ)によるが、
子宮を摘出する手術や放射線治療が必要となる。
上皮内がんやごく早期の段階であれば、
子宮の入り口だけを切除して子宮を温存することができる。
Q どうすれば早期発見できる?
⇒何はともあれ、がん検診を受けてください。
子宮頸がんは年単位で正常な状態から異形成という前がん状態となり、
その後子宮頸がんに進行することが分かっている。
定期的ながん検診によって前がん状態での早期発見ができ、
子宮を温存することが出来る。
しかし予防することがもっと大事。
Q 予防といえば、予防接種がありますよね?
⇒子宮頸がんの原因となる
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ予防接種で、
2013年以降定期接種となった。
現在3種類のHPVワクチンがあり、
その種類や接種時の年齢により、2回もしくは3回接種する。
Q 自己負担なしで接種できる対象者を教えてください。
⇒定期接種は小学校6年生から高校1年生相当の女子。
そして、今、ぜひ急いで受けていただきたいのが、
キャッチアップ接種対象者の方。
1997年4月2日~2008年4月1日生まれの女性で、
過去にHPVワクチンの接種を完了していない方。
Q キャッチアップ接種対象者の方は、いつまでに受ければ間に合う?
⇒無料で接種できるのが来年3月末まで。
それまでに3回の接種を完了させるためには
2024年9月末までに1回目の接種を受ける必要がある。
Q キャッチアップ接種については、なぜ改めて接種の機会が設けられた?
⇒この10年間で接種後の副反応と報道された「多様な症状」と、
ワクチン接種との因果関係が証明されなかった。
すなわち直接的な原因ではないことが判明し、
それ以上にHPVワクチンの確固たる実績が海外で蓄積されてきたことで、
厚労省からの積極的な接種勧奨が控えられた時期に接種する機会を逃した女性に対して、
公平な接種機会を設けようということ。
Q 副反応に対する不安、心配があって、
なかなか予防接種が進まなかった背景もあるんでしょうか?
⇒マスコミ報道やSNSで流れた副反応とされた映像を見ると、
恐ろしい感じだった。
インターネットで情報があふれる現代では仕方のないことではあるが、
噂話やSNSに惑わされずに、正しい情報を吸収してほしい。
Q 最後に、HPVワクチンはどこで受けられるんでしょうか?
⇒産婦人科、小児科を中心に、一般内科などの診療科でもワクチン接種が受けられます。
お近くの産婦人科、小児科、内科などに電話でご確認ください。
接種を希望される場合は、事前に医療機関にお問い合わせください。