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薬の飲みすぎによる頭痛


ゲスト

土井内科神経内科クリニック 院長 土井 光先生

内容

Q 頭が痛くて薬を飲むということはありますが、「薬の飲みすぎによる頭痛」ってあるんですか?

A 頭痛持ちの方が痛み止めを使っているうちに,徐々に頭痛が増え,
 そのたびにまた痛み止めを飲んでしまう悪循環に陥ってしまう頭痛があります.
 以前は,“薬物乱用頭痛”といわれておりましたが,乱用という表現が危険薬物を連想させることから,
 現在は“薬剤の使用過多による頭痛”,が正式名称となっております.

 典型的には,朝起きた時から頭が痛いため,ほぼ毎日のように痛み止めを飲んで1日が始まるような方です.
 毎月のように薬局に行って市販の鎮痛薬を大量に購入している,心当たりのある方はおられませんでしょうか?

Q どんな人がなりやすいんですか? 

A 背景に慢性頭痛,特に片頭痛を患っている方が多いです.
 もともと頭痛回数が多い方,痛み止めを飲んでも1回ではすっきり治らず日に何度か飲む方,
 背景に不安障害や気分障害などのある方は要注意です.

 吐いてしまう,寝込んでしまうほどのひどい頭痛発作を経験している人は,
 「またそのような頭痛が起きるんではないか?」という不安に駆られ,
 頭痛が軽くても,時には頭痛が起きていなくても痛み止めを飲んでしまうのです.

Q 逆に、月3,4回の服用で、1回薬を飲めば確実に痛みが治まるという方は違うということですね?

A はい,その場合はリスクが非常に低いですので,今のままの薬の使い方で構いません。

Q ちなみに、若いころから頭痛薬を定期的に服用することが影響したりしますか?

A 若いころから痛み止めを飲んでるからといって,必ずしもなるわけではありません.
 痛み止めを適切に使用することによって“薬の飲みすぎによる頭痛”は予防できます.
 毎月のように,だらだらと痛み止めを使い続け,徐々に頭痛が多くなってきた,
 以前ほど薬が効かなくなってきた方は要注意です.

Q 原因は分かっているんですか?

A 痛み止めを頻回使っているうちに,徐々に痛みに対する感受性が高まり,
 以前では感じなかった痛みにも感じるようになります.
 さらに,痛み止めを飲みたい欲求にかられるようになってしまうためです.

Q 自分が該当しているかどうかを判断する、チェック項目があれば教えてください。

A 以下の項目に当てはまり、これらの状態が何ヶ月も続いている方は該当する可能性が高いです。
 痛み止め,特に市販の複合鎮痛薬を月に10日以上使用している.
 頭痛の日が月の半分以上ある.
 痛みの程度が徐々に悪化している
当てはまる方は,頭痛専門医に相談してみてください.

Q  「薬の飲みすぎによる頭痛」ということがあること自体知りませんでした。
 知っておくということも大切ですね。もし該当する、という方はどんな対応をとればいいのでしょうか?

A まずは,「痛み止めを飲みすぎると頭痛が悪化する」,ということを知っていただく事が
 何よりも重要です。
 それだけで不用意に痛み止めを飲まなくなり,悪循環から離脱できることがあります.

 とはいえ全く飲んではいけない!という訳ではなく,頭痛がひどいとき,
 どうしても頭痛がひどくなったら困る用事がある時など,そのような時には使用してください.
 また,どれぐらい内服したかを知るためにも,ぜひ頭痛ダイアリーをつけてみてください.

 どうしても痛み止めの使い過ぎをやめられない・減らせない方は,
 頭痛発作そのものを起こしにくくする予防薬を使用します.

Q  「薬の飲みすぎによる頭痛」にならないために、どんなことに注意したらいい?

A 普段から“薬の飲みすぎによる頭痛”が存在する!という知識を持っていただく事が重要です.
 節度を持って使用している限り,“薬の飲みすぎによる頭痛”のリスクは低くなります.
 まずは正しい知識を身に着けてください.

 また,薬局で購入できる痛み止めは手軽に手に入りますし,効果のある方も多いし,
 決して無駄ではありませんが,なるべくカフェインなどが含まれる複合鎮痛薬ではなく,
 単一の痛み止めの成分だけからなる痛み止めを使用したほうが,
 “薬の飲みすぎによる頭痛”にはなりにくいと考えられています.

 そもそも頭痛の頻度が多い,市販薬では効果が乏しい方は,頭痛専門医へ受診されることを勧めます.



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